May, 27, 2019, Oregon--盗聴されてもまったく判読できない、ウルトラセキュア・オンライン通信が、最近発表されたオレゴン大学(University of Oregon)物理学者、Ben Alemánの発見によって一歩実現に近づいた。
同氏は、オレゴン大学光学、分子、量子科学センタのメンバーであり、環境条件で動作する人工原子を作製した。研究成果は、Nano Lettersに発表された。これは、セキュアな量子通信ネットワーク、オールオプティカル量子コンピューティングの開発への大きな前進である。
「その大きなブレイクスルーは、われわれが、マイクロチップ上に人工原子をナノ製造する簡素でスケーラブルな方法の発見、またその人工原子が空気中、室温で動作することである」と同氏は説明している。
「われわれの人工原子は多くの新しい、強力な技術を可能にする。将来的には、より安全で、セキュアな、完全なプライベート通信に、また非常に強力なコンピュータに利用可能である。このようなコンピュータは、命を救う薬剤の設計ができ、宇宙の理解を深めようとする研究者の助けになる」と同氏は説明している。
Alemán研究室の博士課程学生、Joshua Zieglerのチームは、幅500nm、深さ4nmの孔を薄い2D六方晶窒化ホウ素シートに開けた。これは、その色と原子厚のために、白色グラフェンとして知られいる。
孔を開けるために、チームは加圧式洗浄に似ているが、水ジェットの代わりに集光イオンビームを使って白色グラフェンに円形の孔をエッチングするプロセスを利用した。次に、残留物を除去するために高温酸素中で材料を加熱した。
光学共焦点顕微鏡を使い、研究チームは次に、ドリルした領域から来る微小な光スポットを観察した。フォトンカウンティング技術で光を分析した後、Zieglerは、個々の明るいスポットが可能な最小レベル、1回にシングルフォトンで、発光していることを発見した。
これらのパターン化された明るいスポットは、人工原子である。また、それらは実際の原子と同じ特性をたくさん持つ、シングルフォトン放出のようである。
Alemánは、2013年にオレゴン大学に来たとき、白色グラフェンで人工原子が造れるという考えの追求を計画していた。しかし、その考えを実行に移す前に、他の大学のチームが白色グラフェン薄片に人工原子を確認した。
Alemánは、その発見を足場にしよう考えた。人工原子の作製は、量子フォトニック回路における単一光源としてそれらを利用するための第一歩である。
「われわれの研究が、量子情報、つまりqubitsキャリアとして働くシングルフォトン源を提供する。これらの光源をパターン化し、必要なだけ作る。これらのシングルフォトンエミッタを回路、つまりマイクロチップのネットワークにパターン化したい。それらが相互に、他の既存qubitと、固体スピン、あるいは超伝導回路qubitsのように通信することが狙いである」と同氏は話している。
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