May, 22, 2019, West Lafayette--ドローンや自律走行車が、スパイダーマンの刺激的な‘Spidey senses’を備えていたらどうだろう。
パデュー大学(Purdue University)機械工学准教授、Andres Arrietaによると、そのようなセンサは、知覚情報の処理が速いため、実際に対象物の検出と回避性能が高い。
優れたセンシング能力があると、ドローンは危険な環境でしっかりとナビゲートでき、自動車はヒューマンエラーによって起こる事故を防ぐことができる。現在の最先端のセンサ技術は、情報処理が十分に速いとは言えない。しかし、自然は違う。高速情報処理ができるのである。
パデュー大学の研究チームは、クモ、コウモリ、鳥、その他の動物からヒントを得たセンサを構築した。これらの動物の実際のSpidey sensesは、メカノセンサ(機械受容器)という特殊ニューロンにリンクした神経末端にある。その末端神経、メカノセンサは、動物の生存にとって重要な情報だけを検出し処理する。それらのセンサは、毛髪、繊毛、あるいはヒゲなどの形になっている。
「インテリジェントシステムが収集するデータは、すでに爆発的である。このレートは、従来のコンピューティングが処理できるよりも早く増加している」とArrietaは指摘する。同氏の研究室は、自然の原理をロボットから航空機の翼まで、構造物の設計に適用している。
「自然は、全てのデータを収集しているわけではない。必要なものを選び出している」(Arrieta)。
多くの生物学的機械センサは、圧力や温度の変化など、閾値に従い、環境から受け取る情報、つまりデータをフィルタリングする。
例えば、クモの毛で覆われたメカノセンサは、その脚にある。クモの網が、餌や仲間に関連する周波数で振動すると、メカノセンサがそれを検知し、クモに反射作用が生じ、極めて迅速に反応する。メカノセンサは、それよりも低い周波数、網のゴミなどは検出しない、それはクモの生存にとって重要でないからである。
その考えにより、同様のセンサを自律マシーンのシェルに直接組み込むことができる。例えば,航空機の翼、自動車の車体などである。研究チームは、クモの毛からヒントを得て設計したメカノセンサをカスタマイズして、所定の力を検出できることをACS Nanoで、実証した。実世界では、これらの力は、自律マシーンが回避すべき一定の対象物に関連している。
しかし、研究チームが開発したセンサは、単に高速で検知してフィルタリングするだけでなく、パワー供給を受けることなく、計算もする。
「自然には、ハードウエアとソフトウエアの区別は存在しない。全てが相互接続されている。センサは,データを解釈し、収集しフィルタリングする」(Arrieta)。
自然では、特殊レベルの力が、毛で覆われたメカノセンサに関連した機械受容体を活性化させると、これらの機械受容体は,一つの状態から別の状態に切り替えることで情報を計算する。
パデューの研究者は、シンガポール南洋理工大学、ETH-Zurichと協力して、センサを設計し、同じことができるように、また信号解釈のためにこのON/OFF状態を利用できるようにした。インテリジェントマシーンなら、これらのセンサが計算することに従い、反応することになる。
これらの人工メカノセンサは、強力であり、高速に、センシング、フィルタリング、コンピューティングできる。センサ材料は、外部力で活性化されると迅速に形状を変えるように設計されている。形状変化が、材料内の伝導性粒子を相互に近づける。これにより電気がセンサをを通して流れ、情報を伝達する。この信号は、自律システムがどのように反応すべきかを知らせる。
「マシンラーニングアルゴリズムの助けを借りて、最小エネルギー消費で自律的に機能するように、これらのセンサをトレーニングする。これらのセンサを多様なサイズで製造することにも全く問題はない」と同氏は話している。