May, 16, 2019, San Diego--カリフォルニア大学バークリー校の研究チームが試験した実験用フォトニックスイッチは、将来の高速データ伝送ネットワークに向けた完全光、高容量スイッチングの目標に向けた有望さを示している。この研究のために開発、テストされたスイッチは、フォトニックスイッチで、これまでになかった能力を実証した。
研究成果は、OFC2019で発表された。デバイスは、240×240集積シリコンフォトニックスイッチで、光入力240チャネル、光出力240チャネル。
UC BerkeleyのMarvell Nanofabrication Laboratoryで作製された実験用フォトニックスイッチを使用して研究チームは、これまでに報告されたスイッチで最小の信号損失を実証した。
通信業界は以前から、爆発する高速、大容量データ伝送に対処するために、ファイバオプティック技術をよりよいソリューションと見なしてきた。
OEO変換を必要とし、信号損失を起こす、パワーハングリーな電気スイッチの代わりに、研究者はフォトニックスイッチを開発し、導入しようとしている。これにより伝送品質が改善され、数10、時には数1000のサーバへの単一伝送リンクが構築できるからである。
特に、シリコンベースのフォトニックスイッチは、先進的なCMOS技術を使用しており、ローコストと大容量により、強力なプラットフォームとして研究者の注目を集めている。いずれ、性能とエネルギー効率で拡張性の限界に直面する電気スイッチにフォトニックスイッチが取って代わると見られている。この可能性を実現するために、研究者は、今日のシリコンフォトニックチップのサイズに関連する制約を克服し、その性能を向上させようとしている。
Tae Joon Seokによると、「最近、多くの研究グループが競って、大規模入出力数のシリコンフォトニックスイッチを報告している」。しかし、シリコンフォトニックチップの物理的サイズは、2~3㎝に限定されている。これは、集積チップのベースとして使用されるシリコンウエハ上に必要な幾何パタンエッチングをするリソグラフィ装置の限界によるものである。
研究チームは、リソグラフィスティッチングとして知られるプロセスを使うことでこの限界を克服し、ウエハスケール240×240シリコンフォトニックスイッチを作製した。これには、8個の80×80スイッチブロックをスティッチングして、3つの入力と3つの出力カプラブロックを持つ3×3アレイにする。実験の一環として開発されたスイッチは、グレーティングカプラからチップに入出力する光を結合する。スイッチセルは、電気プローブで作動さする。
結果としてのスイッチ面積は、4㎝×4㎝であり、既存のシリコンフォトニックスイッチのほぼ2倍である。「われわれの知る限りでは、これはこれまで報告されたプラットフォームで、最大の集積フォトニックスイッチである」とSeokは話している。
実験用スイッチの計測結果も記録破りであった。「オンチップ損失は、ポート数比(0.04dB/ポート)で最小が証明された」。
「この技術は、シリコンフォトニックスイッチだけでなく、どんなシリコンフォトニックアプリケーションにも適用可能である。例えば、プログラマブルフォトニックプロセッサなどの超大規模デバイスにも適用できる」とSeokは話している。