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北海道大学、引っ張ると白い蛍光を出すゴムの開発に成功

May, 14, 2019, 札幌--北海道大学電子科学研究所の相良剛光助教(科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者)、玉置信之教授、スイス フリブール大学(Université de Fribourg) Adolphe Merkle InstituteのChristoph Weder教授らの研究グループは、伸縮により白色蛍光のON/OFFを瞬時に可逆的に切り替えるゴム材料の開発に成功した。
 最近、主に高分子化学の分野で、力(機械的刺激)によって共有結合が切断され、色変化、触媒作用、化合物の放出といった様々な応答を示す「メカノフォア」と呼ばれる分子骨格が着目されている。しかし既存のメカノフォアは共有結合を切断する必要があるため、可逆性に乏しい等の問題があった。このような背景を踏まえ、研究グループは、超分子化学の分野で長年研究されてきた、インターロック分子の一つであるロタキサンに着目し、共有結合を切断する必要のない「超分子メカノフォア」の開発を行ってきた。今回の報告では、青色、緑色、橙色の蛍光団(蛍光を発する部分)を用いたロタキサン型超分子メカノフォアを開発し、さらにポリウレタンに導入することで、伸縮に応答して各蛍光色が瞬時、かつ可逆的に何回でも繰り返しON/OFFスイッチするゴム材料を開発した。これにより、蛍光団を変えても同じメカニズムで類似の機械的刺激に対する応答性を獲得できることを実証した。さらに、これら三種のポリウレタンを適切な割合で混合することにより、白色蛍光のON/OFFスイッチを示すゴムを実現した。このような材料は、様々な材料が受けるダメージの可視化などへの応用が期待でき、今後の本分野の発展に大きく寄与すると考えられる。
 研究成果は、 ACS Central Science誌にオンライン版として掲載された。

(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp/)