April, 24, 2014, Arlinton--ジョージア州立大学とリーズ大学工学部の研究チームは、太陽光発電や低エネルギー光検出で新たな可能性を開く技術を開発した。
リーズ大学電子・電気工学部テラヘルツエレクトロニクスEdmund Linfield教授の研究チームは、新技術で使われるパタンド半導体を作製した。「電磁スペクトルの低エネルギー域、例えば赤外から電流を発生させることは、関連する波長のエネルギーがほとんどないので、半導体材料を使っていては非常に難しい」。
これまでは、低エネルギー光に反応する特別な半導体材料を見つけることが解の1つだった。新しいアプローチは、方針を変えて、この難題を克服するために第2の光源を追加する。追加の光源は、エネルギーで半導体を刺激する、いわばウォームアップ。狙いは、低エネルギーの波長が来たときに、それらが電流を発生できるようにすること。
この技術は、新しい材料に依存するのではなく、既存の半導体の範囲を広げるので、ウエハスケールで電子デバイスとの集積可能性を提供するものとなる。
改善したデバイスは、少なくとも55µmレンジまでの波長を検出できる。以前は、同じディテクタで約4µmまでの波長しか見ることができなかった。研究チームはシミュレーションを行い、改善したデバイスが100µmまでの波長を検出できることを示した。
この研究を主導するジョージア大学オプトエレクトロニクス研究所長、Unil Perera教授は、「この技術によってデュアルバンド、マルチバンドのディテクタが開発される可能性がある。これは、例えば毒ガス特定で、誤検出を減らすために使える」。
Nature Photonicsに掲載された論文によると、新しい長波長フォトディテクション原理は、ホット-コールドホールエネルギー移送メカニズムをベースにしている。これによってカットオフ波長というスペクトラル限界を克服する。半導体構造に注入されたホットキャリアがコールドキャリアと相互作用し、コールドキャリアを高いエネルギー状態に励起して、長波長赤外応答が可能になる。実験では、55µmまでが観察されており、Δ=0.32eVのGaAs/AlGaAsサンプルで、ホット-コールド注入度を変えることで応答は波長は調整できる。
(詳細は、Nature Photonics online 13 April 2014)