April, 8, 2019, 東京--東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の平松秀典准教授、飯村壮史助教(研究当時)、細野秀雄教授(研究当時)、物質理工学院 材料系の半沢幸太大学院生(博士後期課程3年、研究当時)の研究グループは、独自の化学設計指針をもとに、適切な元素置換で、電気特性の制御ができ室温で緑色発光するペロブスカイト硫化物の新半導体“SrHfS3”を開発した。
現在、発光ダイオード(LED)やレーザダイオードとして幅広く用いられているInGaN系(窒化物)、AlGaInP系(リン化物)の材料は、人間の視感度が最も高い緑色において電流の光変換効率が大きく低下するという問題がある。開発したSrHfS3は、高効率、高輝度、高精細が要求される次世代光学素子用の緑色光源として応用されることが期待される。
今回の結果により、光デバイス用半導体の材料設計指針、およびそれにより実験的にその性能が実証された新半導体SrHfS3の緑色LED向けの新材料としての有用性を示すことができた。今後、単結晶薄膜を用いたpn接合を作製することにより、より高効率の次世代緑色LEDが実現できると期待される。
研究成果は、米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン版に3月6日(現地時間)に掲載された。
(詳細は、https://www.titech.ac.jp/)