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KAIST、洗えるウエアラブルディスプレイ

April, 2, 2019, Seoul--KAISTの研究チームは、洗うことができ、外部電源を必要としない繊維ベースウエアラブルディスプレイを開発した。
 外部電源の問題から脱却し、ウエアラブルディスプレイの実用性を強めるために、電気工学部Kyung Cheol Choi教授のチームは、ポリマソーラセル(PSC)とOLEDを集積した実際の繊維にウエアラブルディスプレイモジュールを作製した。
 PSCは、次世代電源の最も有力な候補の一つである。特に、ウエアラブル、オプトエレクトロニックアプリケーションでは、OLEDがミリワット駆動できるので、外部電源なしで安定電力が供給できる。しかし、問題は、両者とも外部湿気や酸素に対して弱いことだった。カプセル化バリアは、信頼性に不可欠である。従来のカプセル化バリアは、通常の環境には十分である。しかし、それは水のような水性環境ではその特性を失う。つまり、雨の日や洗濯後にも動作しなければならないウエアリングディスプレイの商用化を制約する。
 この問題に対処するために研究チームは、原子層蒸着(ALD)やスピンコーティングによって、洗濯後にその特性を失うことのなく、デバイスを保護できる洗えるカプセル化バリアをを採用した。このカプセル化技術により、チームはPSC、OLEDを含む繊維ベースウエアリングディスプレイモジュール、また提案したカプル化バリアが、10分サイクルで20回の洗濯後でも特性にほとんど変化がないことを確認した。さらに、カプセル化したデバイスは、3㎜の低曲率半径で安定動作し、高い信頼性を示した。
 最終的に、曲げ応力と洗濯の両方を30日以上実施した後でも、その特性に劣化がなかった。応力の少ない繊維を使うので、伝統的なプラスチック基板を使う従来のウエアラブルエレクトロニクスデバイスと比較して、この技術は、ウエアラブル電子デバイスの商用化を加速できる。重要な点は、日常生活でのこのウエアラブル電子デバイスは、電源内蔵システムにより省エネが可能である点である。
 Choi教授は、「この研究は、本当に洗えるウェアラブル電子モジュールを実現したと言える。従来のウェアラブル電子デバイスで使われているプラスチックの代わりに、日常的に着ることができる繊維を使っているという意味である。PSCによる省エネで、それは環境に優しいエネルギーを使う電源内蔵型で、しかも洗える。真の意味でウエアラブルディスプレイへの道を開いたと考えている。ウエアラブル技術のアタッチ形式を超えて、繊維に形成できるからである」と説明している。