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ラトガーズ大学、ペロブスカイト結晶フォトルミネサンス制御法を発見

March, 20, 2019, New Bruswick--新奇な結晶半導体から放出される光を制御する新しい方法が発見された。ラトガーズ大学の研究チームによると、これにより、効率の優れた太陽電池、エレクトロニクスのさらなる進歩が期待できる。
 この発見は、有機材料と無機材料結合ペロブスカイト結晶に関わるもので、太陽電池での利用で大いに有望である。この発見は、新しい電子ディスプレイ、センサ、光によって活性化される他のデバイスにつながり、光を利用するオプトエレクトロニクスの製造コストを低下させながら効率も高める。
 Rutgersチームをリーダーとする研究チームは、ペロブスカイトがレーザで励起された時に放出する光(フォトルミネセンス)を制御する新方法を発見した。ハイブリッドペロブスカイト結晶から放出される光の強度は、結晶面の電極に印可される電圧を調整するだけで100倍に強化できる。
 ラトガーズ大学の教授、Vitaly Podzorovは、「われわれが知る限り、材料のフォトルミネセンスが電圧でそれほど広く可逆的に制御されたのは初めてである。以前は、フォトルミネセンスの強度を変えるには、温度を変えたり、大きな圧力を結晶に加えなければならなかった。これは厄介なことであり、コストもかかる。われわれは室温で、小さな電子デバイス内だけでそれがでる」と語っている。

このペロブスカイトのような半導体は、電気を通す金属と非伝導絶縁体の間にある特性を有している。その伝導性は、かなり広い範囲で調整可能であり、したがってあらゆる最近のエレクトロニクスでは半導体は必須になっている。
 フォトルミネセンスの理解は、大要電池、LED照明、光センサも含め、光を制御、生成、検出するデバイスの設計では重要である。研究者は、結晶欠陥が発光を抑え、電圧の印加がフォトルミネセンスの強度を取り戻すことを発見した。
 ハイブリッドペロブスカイトは、標準的な商用シリコンベースの太陽電池と比べると、効率が高く、製造は容易で安価である。また、研究により、その用途が広がる。重要な次の一歩は、様々なタイプのペロブスカイト材料を研究することである。これにより、一段と優れた、高効率の材料に帰着する。つまりフォトルミネセンスをもっと広範な強度で制御し、しかもさらに低い電圧で制御できるようになるからである、Podzorovは話している。
(詳細は、https://news.rutgers.edu)