March, 8, 2019, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、多値信号の高精度校正を可能とするデジタル信号処理技術及び超広帯域な光フロントエンド集積デバイス技術により、1波長あたり毎秒1テラビット(1Tbps)を長距離伝送する波長多重光伝送実験に世界で初めて成功した。
NTTは、独自の多値信号の高精度校正技術と超広帯域な光フロントエンド集積デバイス技術(InP HBTによるAMUX)を開発し、毎秒1テラビット(シンボルレートとして120Gbaud、変調多値度の高い高品質な64QAM)級の光信号生成に成功し、これを35波長多重して800kmの伝送に世界で初めて成功した。現在の実用システムの1波長あたり100Gbps容量の10倍の伝送速度であり、IoTや5Gサービス普及に向けた大容量通信ネットワーク技術として期待される。
AMUXによるアナログ多重機能を光フロントエンド回路部に導入することにより、シリコンCMOS回路部と光フロントエンド回路部の2つの回路ブロック間の電気信号の所要帯域を従来の半分に低減でき、回路実装を容易にすることができる。また、シリコンCMOSの速度限界を超えるシンボルレートの光信号を生成できる。さらに、光フロントエンド回路部の不完全性(信号経路長差や信号経路による損失ばらつき等)を高精度に校正する独自技術を導入することにより、64QAMまでの高い変調多値度をもつ高品質な光信号の生成に成功するとともに、800kmまでの長距離波長多重伝送に成功した。
技術の詳細は、国際会議OFC 2019(The Optical Networking and Communication Conference & Exhibition)で発表された。
(詳細は、http://www.ntt.co.jp/)