March, 1, 2019, San Diego--マシンラーニング(ML)を利用する新しい研究が光通信ネットワークの効率を高める。世界は、ますます相互接続されるようになっているので、光ケーブルは従来の銅線と比較して長距離で、より多くのデータを伝送する能力を提供する。データを光ケーブルに詰め込むソリューションとしてOTNsが登場してきており、改善によってさらにコスト効果が高くなっている。
バルセロナのUniversitat Politècnica de Catalunyaと通信装置メーカー、Huaweiは、人工知能(AI)技術を一新してOTNs(Optical Transport Networks)運用をより効率的にした。研究成果は、OFCで発表される。
OTNsには、管理する大量のトラフィックの分配法にルールを必要としており、瞬時に判断するルールの作成は非常に複雑になる。ネットワヘクが音声電話に必要とされるよりも多くのスペースを与えて、例えば、未使用のスペースを、ビデオを流すエンドユーザが利用して、確実に「静的バッファリング」メッセージとならないようにする方が良い。
OTNsが必要とすることは、トラフィックガードである。
この問題に対する研究チームのアプローチは、2つのマシンラーニング技術の組み合わせである。第1は、強化学習と言われるもので、仮想「エージェント」を作成する。これは試行錯誤でシステムの詳細を学習し、リソースの管理法を最適化する。第2は、いわゆるディープラーニング(DL)で、人の脳からヒントを得たコンピュータ学習システム、つまり神経網を利用することで強化ベースのアプローチに高度な知識層を余分に追加する。これにより、試行錯誤の各回からより抽象的な結論を引き出すことができる。
「ディープ強化学習は、多くの分野に適用して成功を収めている。とは言え、コンピュータネットワークへの提供はごく最近のことである。われわれの論文が、ネットワーキングにおけるディープ強化学習のスタートに寄与し、他の研究者が別の、もっと優れたアプローチを提案することを期待している」とAlbert Cabellos-Aparicioはコメントしている。
これまで、最も進んだディープ強化学習アルゴリズムは、OTNsである程度のリソース配分をすることができたが、新しいシナリオに入り込むとスタックしていた。研究チームは、これを克服するために、エージェントへのデータ提示の仕方を変えた。
5000回のシミュレーションによりOTNsを学習した後、ディープ強化学習エージェントは、現在の最先端のアルゴリズムよりも30%高い効率でトラフィックを方向付けることができた。
研究チームによると、白紙状態からネットワークについて学習する新しい学習は極めて簡単である。「つまり、予備知識なしで、ディープ強化学習エージェントは、ネットワークの自動最適化法を学習することができる。これは、専門家のアルゴリズムを上回る最適化戦略となる」とCabellos-Aparicioはコメントしている。
次のステップは、ディープ強化戦略とグラフネットワークとの組み合わせを計画している。グラフネットワークは、コンピュータネットワーク、化学やロジスティクスなど、科学や産業分野を変革する潜在力を持つAIの新しい分野である。