February, 25, 2019, Twente--トゥエンテ大学(UT)の研究チームは、光と音波の組合せに取り組んでおり、これにより高品質フィルタの設計が可能になる。Nature PHotonicsに発表された論文で、次のフェーズのフォトニックチップ、例えば「神経形態学的」光コンピューティングについて考えを発表している。
David Marpaungによると、いずれ1種類の光チップ、電子の代わりに光を処理するチップだけでは、対処できなくなる。トレンドは、材料とツールのスマートな組み合わせを見いだし、次に集積マイクロ波フォトニクスが実際に違いを生むことができる。同氏の研究は、光、無線周波数、音響波の組み合わせについてである。光チップは、無線信号を、著しく高周波動作する光に変換する。この方法では、高速光リンクが、モバイルワイヤレス通信では2つの基地局で可能になる。しかし無線周波数では、混雑した無線帯域の特定の部分を選び出すために、非常に正確なフィルタリングが可能であるが、無線信号が光に変換されると、フィルタリングは、複雑になる、光の進む速度が速すぎるからである。すると、音響波が登場する。音響波は光を減速させる、するとフィルタは光ドメインで設計可能になる、つまり十分に選択できるようになる。これは、「誘導ブリルアン散乱」といい、この研究でMarpaungは、オランダNWO-vidi研究助成金を獲得した。
オタワ大学のJianping Yao、バレンシア大学のJose CampanyとともにDavid Marpaungが書いた論文には、広い未来像、創造的な組み合わせの発見願望が見られる。現在のところ、フォトニクス向けの3つの主要材料は、シリコンナイトライド(SiN)、インジウムリン(InP)、シリコン・オン・インシュレータであり、その各々がそれ独自の利点を持っている。未来は、材料と技術をの組合せを用いる「ハイブリッドシステム」にある。最近のUTの研究には、すでにフォトニクスとCMOSエレクトロニクスの集積が見られる。CMOSエレクトロニクスの利点は、成熟した極めて大規模な製造技術である。ソリューションは、マイクロメカニクスからも得られる。一つのフォトニクスチップに複数のレーザを用いて多くのスペースとエネルギーを消費する代わりに、「マイクロ共振器」のコムのような構造が、その仕事をする。
複数の領域が結びつく、このような開発により、通信と信号処理の起源を超えてマイクロ波フォトニクスが開発できる。「マッハツェンダ(MZ)」のような基本的光コンポーネントを使い、光でロジック動作を可能にすると、非常に柔軟なフォトニックプロセッサが開発可能になる。それは特殊なアプリケーションに再構成できる。Marpaungは現在、トゥエンテ大学のスピンオフ、LioniXとともに、そのような先進的技術を開発している。UTは、フォトニクスに取り組む研究者群、MESA+Instituteの一部、Applied Nanophotonicsを擁している。
新しいアプリケーション分野には、光量子コンピューティングや脳からヒントを得た「神経形態学的」コンピューティングが含まれる。研究者は、ヒトの脳の「スパイク」、つまり「発火する」ニューロンをフォトニックプロセッサに変換する。こうしてわれわれの脳の機能を真似る。技術と材料の組合せが成功のためのカギになる。
(詳細は、https://www.utwente.nl)