April, 21, 2014, Hannover--ハノーバレーザセンタ(LZH)のナノフォトニクスグループは、多様な材料でできたナノ粒子のプリント法を開発した。サイズはコントロールでき、再現可能であり、これらの粒子をレシーバ基板に正確に堆積することができる。その結果、直径165nmの真円シリコンナノ粒子を生成、堆積することに初めて成功した。
この新しい方法は、超短レーザパルスを用いて、金属、半導体、誘電体など様々な材料のナノ粒子を2桁、3桁ナノメートルでプリントする。後でこれらのナノ粒子はレシーバ基板に正確に堆積できる。
ナノ粒子は、特定の波長の光のみを散乱する固有の特性を示している。白色光で照射し、サイズ、形状また環境との相互作用によって特定の色に見える。したがって、ナノ粒子は医療やセンサ技術で様々なアプリケーションに使用できる。
製造工程はナノ粒子を作るための薄い材料層から始まり、単一の超短レーザパルスを使って材料層を照射し溶かす。溶融材料の表面張力によってナノ粒子が形成され、これが上方に移動して最終的にレシーバ基板に捉えられる。レシーバ材料上の粒子の位置は高精度制御できる。
ナノテクノロジー部、Dr. Boris Chichkov教授によると、この新しい方法は化学プロセスよりも遙かに優れている。化学プロセスでは大量のナノ粒子を作れるが、粒子を所望の位置に堆積することはできない。この新しい方法では、2D、3Dにナノ構造、例えばナノアンテナ、ナノレーザ、メタマテリアルなどを作ることができる。
特定サイズのシリコンナノ粒子の作製は、特殊光学特性があるため、特に興味深い。主に可視光の散乱が強く、電界の他に磁界成分にも反応する。しかし他の材料は、電界だけに反応する。Mie理論(ミー散乱)によると、ここでは磁気光も散乱する。プリント後、作製されたシリコン粒子はアモルファス相になっているが、第2レーザパルスで結晶相に変換できる。
(詳細は、Nature Communicationsに掲載されている)