February, 12, 2019, Seoul--UNISTに所属する新しい研究が、高秩序グラフェン量子ドット(GQD)アレイを製造する新技術を発表した。新技術は、多くの他のタイプのデバイスや物理的現象の研究に道を開くと見られている。
このブレイクスルーは、UNIST自然科学学部、Hyeon Suk Shin教授をリーダーとする研究チームによるものである。この研究では、チームは六方晶窒化ホウ素(hBN)マトリクス内に埋め込まれたGQDを合成する新方法を実証した。こうして、研究チームは、、垂直単一電子トネリングトランジスタを構築するために面内およびファン・デル・ワールスヘテロ構造の同時利用を実証した。この研究成果は、Nature Communicationsに発表された。
グラフェン量子ドット(GQD)は、最先端のディスプレイから医療イメージングまでの多くのアプリケーション以外にも、低電力で情報処理ができる次世代量子情報通信技術に適用できる材料でもある。
これまで、GQDは、単純な化学剥離法で得られている。この場合、バルクグラフェンからグラフェンシートを剥離する。そのような方法では、望むサイズのGQDを造ることはできなかった。また、GQDエッジに不純物が入るばかりか、電子の流れも著しく阻害される。これでは、GQDが、それ独自の光学的、電気的特性を示すことができない。
研究チームは、GQDエッジの不純物を除去し、望み通りにGQDのサイズを調整する新しい方法の実証に成功した。面内GQD-hBNヘテロ構造の成長は、プラチナ(Pt)ナノ粒子(NP)アレイで覆われたSiO2基板上で達成された。次に、これをメタン(CH4)ガス内で熱処理した。その結果、GQDのサイズは、Pt粒子のサイズにしたがって決まった。これにより、高秩序GQDが六方晶窒化ホウ素マトリクス内に生成した。
「グラフェンとh-BNは構造が同じであるので、h-BNマトリクス内にGQDを成長させることができた」とUNISTエネルギー・化学工学学部、Gwangwoo Kimは話している。「hBNシート内蔵GQDの成長は、化学的にBN結合となり、したがって不純物は最小となる」。
この技術を使って研究チームは、高秩序均一GQDアレイを作製し、そのサイズを7~13nmに調整することができた。また、不純物を最小にして電子移動を安定にする、垂直単一電子トネルングトランジスタ実装にも成功した。
「グラフェン量子ドットベース単一電子トランジスタは、低電力で高速情報処理動作する電子デバイスに適用される」とShin教授はコメントしている。
(詳細は、http://news.unist.ac.kr)