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光セキュリティ向上にホログラフィックカラープリントを利用

January, 16, 2019, Singapore--シンガポール工科設計大学(SUTD)の研究チームは、新しいタイプの偽造防止デバイスを開発した。これは、IDカード、パスポート、紙幣などの重要な書類の偽造阻止に役立つ。
 これは「ホログラフィックカラープリント」と言い、准教授Joel Yangをリーダーとする研究チームが、白色光下では正規の色プリントに見える光学デバイスが、レーザポインタを照射すると離れたスクリーンに最大3つの異なる像を投射することを実証した。通常の回折光学素子は1個の像しか投影しないが、これとは違い、この新しいホログラフィックカラープリントは、強力に偽造を防止し、同時にきれいにみえる。加えて、そのプリントは、ナノ3Dプリントポリマ構造で構成されており、特に光文書セキュリティに用途がある。

偽造は、日常生活に大きな脅威になっており、世界的な偽造防止産業は、2026年までに3570億ドルを超えるとCredence Researchはレポートしている。偽造防止製品は、製品や文書の保護には重要であり、不可欠である。最も人気のある偽造防止製品は、ホログラムベースである。これは、電子デバイスパッケージボックス、薬ビン、銀行カード表面など、至る所に見られる。しかし、これら偽造防止ホログラム製品は、光位相を変調するだけであり、簡単にコピーできる。
 SUTD研究チームは、新しいタイプの偽造防止デバイスを開発した。ホログラフィックカラープリンティングは,光の位相と振幅の両方を変調する。ホログラフィックカラープリンティングは、光の振幅を調整することで環境白色光下では色画像を表示する、それに対して、赤、緑、あるいは青色レーザ照射で3つの異なるホログラムを投影する。この研究成果は、平面上に戦略的に新しいタイプのナノ構造ピクセルを作製することによって実現された。各ピクセルは、光のスピードバンプ(位相制御)およびロードブロック(振幅制御)の機能を果たす。ホログラフィックカラープリンティングのデュアル機能は、セキュリティを強化し、偽造を阻止する。

Joel Yang准教授によると、デバイスのカラーピクセルは、構造的カラーフィルタを位相板にオーバーレイすることによって作製されている。異なる高さのナノ構造ポストを構造的カラーフィルタとして用い、光振幅を変調する。研究チームが開発したコンピュータアルゴリズムは、多面的な画像をインプットし、異なる位相の位置とカラーフィルタ素子を決める出力ファイルを生成する。全体的なプリントは、次に、ナノスケール3Dプリンタの助けを借りて作られた。チームは、環境白色光下で見ることができるLuigi RussoloのアートペインティングPerfume(1910)をカラープリントとして利用した。位相板の変調と3つのマルチホログラム形成には、異なる厚さの重合直方体を使い、赤い拇印、緑のキー、”SECURITY”と読み取れる青色レタリングとして投影した。これらの画像の全ては,単一プリントに組みこまれている。

(詳細は、https://media.eurekalert.org)