December, 27, 2018, Kiel--太陽電池など、光を電気に変換する際、入力光の大きな部分が失われる。これは、材料内部の電子の振る舞いのためである。光が材料に当たると、瞬時に電子をエネルギー的に刺激し、次にエネルギーを環境に戻す。この極短、フェムト秒の時間幅のため、これらのプロセスは、今日まで研究されてこなかった。
キール大学実験・応用物理学研究所(CAU)のチームは、Michael Bauer教授とKai Roßnagel教授の指導で、電子とその環境とのエネルギー交換をリアルタイムで調査することに成功した。これにより個別段階を区別することに成功した。実験では、チームは、高強度超高速光パルスでグラファイトを照射し、電子の振る舞いに対する影響を撮影した。関連する基本プロセスの包括的解釈は,将来オプトエレクトロニクスコンポーネントで重要になる。研究成果は、Physical Review Lettersに発表された。
材料の特性は、その構成電子と原子の振る舞いに依存する。電子の振る舞いを記述する基本モデルは、いわゆるフェルミ気体(Fermi gas)という概念である。このモデルでは、物質内の電子は、気体系と考えられている。この方法で、その相互作用を記述できる。この記述に基づいて電子の振る舞いをリアルタイム追跡するために研究チームは、時間分解能の極めて高い探求実験を開発した。材料サンプルが超高速光パルスで照射されると、短時間に電子が刺激される。第2に,固体からこれらの電子の一部を遅延光パルスが解放する。これらの詳細な分析により、光による最初の刺激の後の物質の電子特性に関する結論が引き出される。特殊カメラが、導入された光エネルギーが、電子系を通じてどのように分布されるかを撮影する。
キールシステムの特徴は、13fsという極めて高い時間分解能である。これは、世界最速の電子カメラの一つとなる。「使用した光パルスの極短時間幅により、超高速プロセスをライブ撮影することができる。われわれの研究は、ここで驚くほどの量の物事が起こっていることを示している」とCAUの超高速動力学教授、Michael Bauer氏は説明している。
現在の実験で、研究チームは、グラファイトサンプルをわずか7fsパルス幅の高強度光パルスで照射した。グラファイトの特徴は単純な電子構造である。したがって、基本的プロセスが特に明確に観察できる。実験では、衝撃光パルス、つまりフォトンが電子の熱平衡を乱す。この平衡は、正確に定義できる温度が電子に広がっている条件を記述している。次に研究チームは、約50fs後にバランスが回復されるまで、電子の振る舞いを撮影した。
極めて短時間に多くの相互作用
そうしながら、研究チームは物質内で励起された電子の、衝突するフォトン、原子、他の電子との多くの相互作用プロセスを観察した。フィルムの長さを元に、研究チームは超短周期内で様々な段階を区別することさえできた。まず、照射された電子が、グラファイトでフォトンの光エネルギーを吸収、さらにそれを電気エネルギーに変換。次にそのエネルギーは、他の電子に分配され、さらに周囲の原子に渡された。最終段階で、電気エネルギーが永久に熱に変換され、グラファイトが熱くなった。
研究チームの実験は、理論的予測を始めて裏付けた。それにより、この短い時間スケールでこれまで研究できなかった研究トピックについての新たな展望が可能になる。「われわれの新しい技術的可能性により、これらの基本的で複雑なプロセスが、初めて直接観察できるようになった」とBauerは話している。このアプローチは、将来、有望な光学特性を持つ材料で光励起の電子の超高速動作を研究し、最適化するために適用することも可能である。
(詳細は、https://www.uni-kiel.de)