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千葉大学、安全な3次元テレビの実用化に一歩前進

December, 3, 2018, 千葉--千葉大学グローバルプロミネント研究基幹「次世代3次元映像計測技術の創成と応用」グループは、独自の計算機システムを改良し、より高画質なホログラフィの投影に成功したことで、既存の3次元映像の投影方式で懸念されている子どもの健康被害を避けるための「ビデオホログラフィ」の可能性を示した。
研究成果は、Optics Expressに掲載された。

研究の要点
・3次元映像の健康への懸念を払拭
映画館でも楽しめるようになった3次元映像。実は健康被害のリスクから、子どもの利用は制限されている。これは、立体視を実現するために両眼の見え方の差(両眼視差)を用いていることで、脳が知覚する距離と両眼の焦点が合う距離がずれ、「3D酔い」と呼ばれる現象を引き起こすためである。世界中のビデオホログラフィの研究者たちは、「両眼視差」以外にも様々な要因を考慮し、安全な3次元映像を投影できる3次元テレビの実現に向けた研究を進めていいる。
 千葉大学 工学研究院の伊藤智義教授が率いる研究チームは、これまで開発を続けていたビデオホログラフィ専用の計算機システム「HORN-8システム」の改良に成功した。

・世界を牽引する自作のスーパーコンピューター
ビデオホログラフィの開発で課題になるのが、その莫大な画素数の計算処理を担うハードウェアの問題。1秒当たり10フレームの動画を作るためにも、1フレームあたり1兆画素を超える計算処理能力が必要とされる。伊藤研究室では、25年に渡って、高速で高画質なホログラフィを実現するための専用計算機の開発を進めてきた。今回の研究では、光の位相を調整する計算方式を採用し、
より高画質なビデオホログラフィの投影に成功した。これにより、今年4月に国際科学誌 NatureElectronicsに掲載された研究成果をさらに前進させた。
(詳細は、http://www.chiba-u.ac.jp)