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産総研、光で粘弾性を制御できる易加工性ポリマー材料を開発

November, 29, 2018, つくば--産業技術総合研究所(産総研)機能化学研究部門バイオベース材料化学グループ 伊藤祥太郎研究員とスマート材料グループ 秋山陽久主任研究員は、室温下、光を照射するだけで、粘弾性を可逆的に制御できる易加工性のポリマー材料を開発した。
 今回開発した材料は、光応答性部位を持つポリマーで、通常のプラスチックと同様に、加熱成形によりフィルム状などの任意の形態に加工できる。また、紫外光を数分間照射すると柔らかくなり、可視光(緑色光)を数分間照射すると硬くなるという性質を持ち、この軟化と固化のサイクルを繰り返すことができる。材料全体または表面が柔らかい状態では、材料の粘着性(接着性)や摩擦力、材料の衝撃吸収性がより高く、これらの特性を光照射により可逆的に変化させることで、光機能性材料としての応用が期待される。
 例えば、粘着性の変化に着目して、この材料をテープ状に加工すれば、非加熱状態での可逆的な着脱が可能なスマート接着剤が実現できる。その結果、接着のやり直しや使用後の接合部材のリサイクルが容易になり、接着接合プロセスの歩留まり向上や省資源化につながる。特に、精密光学材料の仮止めや付け直し、医療用部材の低刺激での着脱、リワーク性に優れた部品組み立て方法の実現が期待される。
 この材料の詳細は、ACS Applied Materials & Interfacesに掲載された(S. Ito, H. Akiyama, et al. ACS Appl. Mater. Interfaces 2018, 10, 32649–32658.)。また、12月5~7日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される第2回接着・接合EXPOで紹介される。
(詳細は、www.aist.go.jp)