April, 15, 2014, Cambridge--ケンブリッジ大学のカベンディッシュ研究所のSir Richard Friend教授の研究グループは、オックスフォード大学のグループと協働して、ペロブスカイト太陽電池が光を吸収するだけでなく、発光することでも優れていることを実証した。
ハロゲン化鉛ペロブスカイトの薄い層を2つのミラーで挟むことで、光駆動レーザを作製した。このレーザは非常に効率的な発光を示しており、吸収した光の70%が再放出であった。
研究チームは、光吸収に次ぐ電荷の生成と、光を放出するこれら電荷の再結合過程の基本的な関係を指摘している。これを初めて確立したのは1961年、ShockleyとQueisserだった。
本質的に、材料が光をよく電気に変換するのであれば、電気を光に変換するという点でも優れていることになる。これらの物質の発振特性は、太陽電池の効率を一段と高めるのではないかと言う期待を募らせる、とOxbridgeチームは言っている。つまり、わずか2年の開発期間でペロブスカイト電池が市販の太陽電池を凌駕しようとしているとすれば、先の見通しにわくわくする、と研究チームは考えている。
「この安価な、溶液プロセスの半導体で初めて実証された発振は、幅広いアプリケーションを切り開く」とCavendish研究所のFelix Deschler博士は言う。「われわれの成果は、この材料が通信で、また発光デバイスで利用できる可能性を示している」。
ほとんどの商用太陽電池材料は、高価な工程を必要とし、優れた発光とパフォーマンスを示すまでに達成する純度レベルは非常に低い。この新しい材料は、安価な拡張性のある溶液プロセスを用いて、非常に簡素な薄膜を用意してもうまくいく。
ペロブスカイトの光吸収では、2つの電荷(電子とホール)が極めて迅速に、1ps以内に形成されるが、再結合までに数マイクロ秒(µs)かかることを研究チームは見いだした。これは、シリコンやGaAsなど、ほとんどの他の半導体で、化学欠陥が発光を止めるには十分な長さである。「この長いキャリア寿命と並外れて高い発光は、そのように簡単な準備しかしていない無機半導体では類例がない」とオックスフォード大学チームのSam Stranks博士は言っている。
(詳細は、www.cam.ac.uk)