October, 15, 2018, 東京--三菱電機は、新たに開発した世界最高出力の「アイセーフ高出力導波路型レーザ増幅器」を搭載した水蒸気・風計測ライダーで、積乱雲の発生原因となる空気中の水蒸気と上昇気流を同時に計測する実証実験を開始した。今後、計測精度の向上などを確認し、実用化に向けた研究開発を進め、早期の豪雨予測に貢献する。
近年、世界中でさまざまな異常気象による災害が増加しており、特にゲリラ豪雨については、住民の安全な避難行動を促すために、より早期の警報発令が求められている。従来の気象レーダーなどによる方法では、発生した積乱雲を観測し予測するため、予測から発生までの間で十分な避難時間を確保することに課題があった。
三菱は今年5月から、より早期の豪雨予測の実現に向けて、積乱雲の発生原因となる空気中の水蒸気と上昇気流を、地上からのレーザ光によって同時に計測する、水蒸気・風計測ライダーの計測精度を高める実験を重ねている。
今回、高感度な受信に適した波長を用いた、世界最高出力のレーザ増幅器を新たに開発し、この増幅器を搭載したライダーの実証実験を開始した。実験では、空気中の水蒸気と上昇気流を、より早く、より高精度かつ広範囲に観測できることを確認し、早期の実用化を目指す。