April, 10, 2014, Umeå--カーボンナノチューブが太陽電池でシリコンに代わるものとしてますます関心を集めている。スウェーデンのウメオ大学(Umeå University)の研究チームは、ナノ構造にカーボンナノチューブをコントロールして入れると電子のパフォーマンスが著しく高まることを発見した。
カーボンナノチューブ(CNT)は、非常に特異的な特徴を持つ炭素原子でできた1Dナノスケールシリンダーである。例えば、CNTは非常に高い抗張力と並外れた電子移動度を持つ。これは次世代の有機電子デバイスおよびカーボンベースの電子デバイスにとって極めて魅力的である。
カーボンベースのナノ構造材料を太陽電池の構成要素として使う傾向が強まっている。その優れた特徴によりCNTは、デバイス内への効率的な電荷輸送を通して現在の太陽電池のパフォーマンスを向上させると考えられている。しかし、電子応用で最高のパフォーマンスを獲得するためにはCNTは、ナノチューブを相互接続する秩序だったネットワークにアセンブリされなければならない。今日用いられている方法は適切と言うにはほど遠く、デバイスのパフォーマンス低下になってしまう。
新しい研究では、同大の物理学者と化学者が、新たな特徴を持つナノ加工カーボンナノチューブネットワークを作るために協力した。研究チームは、ポリママトリックス内の制御されたナノスケール寸法により、カーボンナノチューブで複雑なネットワークアーキテクチャを作れることを初めて明らかにしている。
「結果として得られたナノネットワークは、並外れた電荷輸送能力を持つことが分かった。これは、従来法で作ったカーボンナノチューブランダムネットワークでの計測結果と比べると1億倍になる」と同大物理学部助教授、プロジェクトリーダー、Dr David Barberoは説明している。
この方法を高度にコントロールすることにより、他の方法と比較して非常に少量のナノチューブで極めて効率的なナノチューブネットワークが実現可能になる。これは、材料コスト大幅削減になる。
以前の研究で研究チームは、柔軟な太陽電池に使える薄くて柔軟な透明電極上にナノ加工ネットワークが作製可能であることをすでに実証している。今回の新しい成果は、効率的でもあり安価に製造できる、次世代の柔軟なカーボンベースの太陽電池の開発を加速するものと期待されている。
(詳細は、 www.umu.se)