September, 28, 2018, St. Andrews--有機半導体を使った、超薄型膜レーザの開発により、接眼レーザ(目にとりつけたレーザ)が、実現可能になってきた。接眼レーザ(オキュラーレーザ)は、セキュリティ、バイオフォトニクスや光療法など新しいアプリケーションで利用することができる。
Nature Communicationsで研究チームは、この薄膜レーザの閾値が、人の目における安全動作要件に適合すると説明している。研究チームは、モデルシステムとして牛の目を使ってオキュラーレーザ発振も実証できている。
その新しいレーザは、コンタクトレンズや紙幣に取り付けられる、並外れた機械的柔軟性と特殊な重量と厚さという基本的な限界に近づいている。
物理学/天文学部、Malte Gather教授は、「古代ギリシャでは、プラトンは、視覚は目のビームによって伝えられると信じていた、周囲環境を調べるためにビームは目からアクティブに伝えられる」と説明している。
「プラトンの放出論は、言うまでもなく、長い間異議が唱えられていたが、目にレーザを持つスーパーヒーローがコミックブックには生きている。われわれの研究は、レーザ開発における新たな到達点、特に、本質的に柔らかく、柔軟な環境でのレーザの使い方に方向性を示すものである、つまりウエアラブルセンサ、あるいは紙幣の認証機能などである」。
Ifor Samuel教授は、「薄いプラスチック膜を基板から浮かび上がらせることで、われわれは世界最小にして最軽量のレーザを作製し、それらをコンタクトレンズや紙幣に貼りつけた」と話している。
研究チームは、例え別の物体に付着していても、そのデバイスが柔軟で、機械的にロバストであることも実証した。また、その光学特性は、数ヶ月にわたり変化しなかった。
次に、研究チームは、この超薄型レーザを紙幣やコンタクトレンズに貼りつけ、デバイスが柔軟でウエアラブルセキュリティタグとして利用可能なことを示した。
「レーザの材料やグレーティング構造を変えることで、レーザ光の放出をデザインして、フラットな背景に特殊な一連のシャープなラインを示すことができる、つまりデジタルバーコードの1sと0sである」とMarkus Karlは説明している。
フレキシブル有機オプトエレクトロニクス、特にディスプレイ、太陽電池、ウェアラブルセンサなどが、商用化間近にある。プロトタイプデバイスはすでに驚くような形状、湾曲を達成している。
新開発の薄膜レーザは、この超薄型、超フレキシブル有機オプトエレクトニックデバイスファミリをすべて満たしている。