Science/Research 詳細

フラウンホーファーIPMS、遺伝子研究向けにMEMSミラー開発

April, 9, 2014, Dresden--フラウンホーファーIPMSは、超高速で、マイクロメートル精度で様々な波長の光の方向を変えることができるプログラマブルMEMSチップを開発した。
 この技術は、光学顕微鏡にインストールすると、個々の細胞よりも小さな多数の目標エリアを照射し、特定の感光性分子をまとめて刺激するために使える。さらに、第2のチップを使うことで、特定のエリアを正確に選択するだけでなく、照射する角度も変えられる。この技術により、対象物を構造的に一段と高精度に見ることができ、多くの不要な環境的影響は大幅にカットされる。
 1個のMEMSチップは、65536個の個別マイクロミラーからなるアレイであり、個々のマイクロミラーは独立して実質上連続的に傾けることができる。すべてのミラーの傾きを制御することにより、マトリックスエリア全体で1秒に1000通りの入射角と光強度を振り分けることができる。このMEMS技術の利点を光学顕微鏡で使えるようにするために、フラウンホーファーIPMSの研究チームは、オーストリアのIN-VISION Digital Imaging Optics GmbH、フランスのパスツール研究所 PFID(plateforme d’imagerie dynamique )の研究者と協力している。フランスのコンソーシアムは、この新しいオプティクスと遺伝学の組み合わせで、ゼブラフィッシュの胚やミバエ幼虫の細胞や組織で個々の遺伝子の発現に影響をあたえることを目的にしている。そのような介入によって、組織の成長において特定の遺伝子の影響を以前よりも遙かに正確に調べることができるようになる。このシステムはまた、遺伝的に変更された感光性のイオンチャネルによってニューロンを活性化し、それによって脳組織における個々の神経ネットワークの機能を調べることも目的にしている。