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アリゾナ大学開発のレーザ技術で落雷回避

April, 8, 2014, Phoenix/Rochester--アリゾナ大学と中央フロリダ大学の研究チームは、以前よりも遙かに長い距離、大気中を高強度レーザビームを放出することができる技術を開発した。この研究は、まだ実験室段階であるが、いずれ稲妻のような放電を建物から逸らすことができるようになる。
 現在、高強度レーザは、現状の技術で造ると本質的に、数インチか、よい場合、数フィートで消える。これは、回折により焦点が強く絞られるためである。
 ブレイクスルーは、第1の高強度レーザを2番目の低強度レーザに内蔵することにある。第1のレーザビームが大気中を進むときに、第2のビーム、「ドレスビーム」が第1のビームにエネルギーを供給し、第1のビームが遙か先まで飛ぶように維持する。
 パルスの理解が進むと、新しいレベルの耐久性のあるレーザビームのための土台ができることになり、これによって大気乱流、雲の水滴、霧や雨が引き起こす散乱を克服してレーザビームが一段と効果的になる、とアリゾナ大学の数学/光科学教授、Jerome Moloney氏は説明している。このようなビームは、長距離ディテクションシステムにも使える。
 この研究は、同氏の研究グループが米国国防総省(DOD)から5年、750万ドルの助成金を得て進めているプロジェクト。
 従来のレーザと違い、この研究で用いられるレーザバーストは、超高エネルギーを極めて短いタイムスパン、フェムト秒の中に詰め込んでいる。
 「通常、レーザを空中に放射すると、線形回折によって制限を受けるが、エネルギーが十分に強く、数フェムト秒の中に圧縮されていると、非常に高強度の光バーストが生じ、自己集束によって空間伝搬の仕方が違ってくる。空気をイオン化してプラズマが生じるので、問題は、そのレーザがエネルギーを失うことだ」と同大学光科学研究助手、Maik Scheller氏は言う。
 「われわれは2種類の異なるビームを使う。1つは、フィラメントを造る高強度の収束中心ビーム。それを囲むもう1つは、長い間ほぼ一定の強度を保つ。結果として、ドレスビームはほぼ直線的に伝搬する」。
 ノイズキャンセルヘッドフォンの原理と同様に、主レーザビームのエネルギー損失とドレスレーザビームのエネルギー供給は互いに打ち消し合う。実験室では、研究チームは、フィラメントレーザを10倍、約10インチから7フィートに延ばすことができた。
 フィラメントが空中を伝搬すると、後に、電子を取り去りイオン化された分子、つまりプラズマの流れを残す。そのプラズマの流れは、稲妻を引きつけて流す非常に抵抗の少ないパスとして使うことができる。究極的にはこの技術は、激しい雷雨の中で稲妻をコントロールし、建物から遠ざけるために使えるようになる。