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KIT、選択的に消去可能な3Dインクを開発

August, 23, 2018, Karlsruhe--レーザ直描3Dプリンティングにより、生体医学からマイクロエレクトロニクス、光メタマテリアルまで多くのアプリケーション向けにマイクロサイズの構造物作製が可能になっている。カールスルーエ工科大学(KIT)の研究チームは、選択的に消去できる3Dインクを開発した。これにより、マイクロメートル、ナノメートルスケールの高精度構造物を特定して分解、再構築ができる。
 研究成果は、Nature Communicationsに発表された。

3Dプリンティングは重要度が増している。複雑な形状を効率的に製造できるからである。非常に有望な方法は、レーザ直描。コンピュータ制御集光レーザビームは、ペンとして機能し、フォトレジストに所望の構造を作製する。こうして、サブマイクロメートル範囲の詳細さの3D構造が作製できる。「この高解像度は、生体医学、マイクロ流体、マイクロエレクトロニクス、光メタマテリアルなど、非常に精密なフィリグリー構造を必要とするアプリケーションには極めて魅力的である」とKITのChristopher Barner-Kowollik教授は話している。
 1年前、KITの研究グループは、すでにレーザ直描の可能性拡大に成功している。KITの応用物理学研究所、ナノテクノロジー研究所のグループが、消去可能な3Dプリンティング用インクを開発した。可逆的結合により、インクの成分は、再び分離できる。
 今回、研究グループは、その開発を大いに改良した。Nature Communicationsに発表されたように、異なる色の複数のインクを開発し、それらは相互に独立して消去することができる。これにより、レーザ描画マイクロ構造を選択的に、逐次分解と再構成できる。例えば、非常に複雑な構成では、一時的な支持を作製し、後で再び除去できる。セル成長のために、3Dスカフォールドにパーツの付加、除去ができる。目的は、そのような変化に対するセルの反応の仕方を観察することである。さらに、特別に消去可能な3Dリンクにより、複雑な構造物の壊れたあるいは古びたパーツ交換することも可能である。
 分離できるフォトレジストの作製では,研究チームは分解可能な生体材料からヒントを得た。そのフォトレジストは、簡単に裂くことができるシラン化合物をベースにしている。シランは、シリコン-水素化合物。研究者は、そのフォトレジストを準備するために特殊な原子置換を使った。こうして、マイクロ構造は、構造物の他の材料特性に損傷を加えることなく、穏やかな条件で特別に分解できる。これは、以前使われていた削除可能3Dリンクに対する主要な利点である。新しいフォトレジストも、切断性に影響を与えることなく、描き込みを大幅に強化するモノマペンタエリスリトールトリアクリレートを含んでいる。 
(詳細は、http://www.kit.edu)