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BYU、危険物質の遠隔検出を狙う新しいIR技術

April, 7, 2014, Provo--ブリガムヤング大学(BYU)の統計学、Candace Berrett教授は、長波長赤外カメラで撮った画像のピクセル毎に物質の特性を明らかにするモデルを開発した。このプロジェクトは、米国国家核安全保障局(NNSA)からBYUの工学部、Gustavious Williams教授が助成金を受けて進めている。
 赤外技術に対する政府の長期的目標は、工場もしくは違法核製造が疑われるサイトに出入りする物質、化学物質、ガスを正確に遠隔で検出すること。両教授はこの新しい方法を、より基本的な物質で赤外画像を分析するテストをした。使ったのはローレンスリバモア国立研究所が取得したデータ。
 赤外カメラは、肉眼では見えない光の波長を捉える。ハイパースペクトラル赤外カメラは、数百の狭帯域でこの光を捉えることができる。物質によって吸収または反射する光の帯域が違うので、画像を分析することで物質の特性を明らかにすることが可能。
 カメラに跳ね返ってくる信号が物質のものだけなら、物質の特定は極めて簡単になる。しかし対象物の温度や天候状態などの他の信号が分析を混乱させ、物質の光信号にノイズを加える。
 BYUの研究の新規性は、入力信号を直ちに分離して物質固有の信号を取り出すところにある。他の方法は、データベースの統合信号と一致させることでノイズを取り扱う。
 結果として得られる情報は、ラボで分光計を使って物質を計測することに近い。Berrett教授のモデルは、相互に関連があるピクセルをグループ化し、画像の中の多様な物質を図示する。
 「このモデルを適用すると、その様々な特性を使い、これらのピクセルの個々の物理的特性についての分布が得られる。また似た物質のピクセルを1つのクラスタとしてまとめることもできる」(Berrett教授)。
 この技術が進むと、爆弾製造工場を見分ける以上のことができる。