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レーザの不安定性に対処するために異形レーザを開発

August, 20, 2018, Singapore--南洋理工大学(NTU)、エール大学、インペリアルカレッジロンドン(ICL)の国際研究チームは、長年の伝統的レーザの限界を克服し、安定ビームのハイパワーレーザを構築する新方法で設計した。
 ハイパワーレーザは、材料加工、大規模ディスプレイ、レーザ手術やLiDARなどに使用されており、利用を制約するレーザの不安定性が起きることがある。この不安定性は、レーザポインタのような単純なアプリケーションでは問題ないが、ハイパワー動作のレーザでは重大な問題となる。
 研究チームは、独自のD形状レーザを開発した。これは、光発光パタンを制御し、レーザ出力の変動度を潜在的に低減するために、そのようなレーザ不安定性を除去できる。
 研究成果は、Science誌にオンライン掲載された。
 不安定性を抑制するために研究チームは、毒をもって毒を制する方針を採用した。NTU助教、Wang Qijieは、「従来のレーザでは、実用性を制約する光波の変動が生ずる。その形成を阻止するために、異型レーザキャビティを作製した。これは、光をキャビティ壁から予測できない仕方で跳ね返し、結果的に光ストリームを安定化させる。カオスを用いてカオスに対処するようなものである」と説明している。
 その研究は半導体レーザで行われたが、研究チームは、ガスレーザや固体レーザなど他のタイプの高出力レーザにもその成果は拡張できると考えている。
 ほとんどの従来タイプレーザデバイスは、直方体形状を採用しており、ミラーが互いに対して平行に両端に置かれ、光はミラー間を行き来する。
 この表面上は、均一な振動は、しかしレーザを不安定にする。特にハイパワーレーザでは、光がレーザから放出される際にイレギュラーなピークと谷ができる。この変動するピークが像の形成を悪化させる。
 エール大学Hui Cao教授、この研究の主席研究者は、そのような干渉を抑制する以前の戦略は、通常、レーザパワーの低減に関わるものだったと指摘している。「したがって、従来のアプローチは、実用的なアプリケーションに必要なパワーレベルに拡張できなかった」とエールの応用物理教授、Frederick W. Beineckeは言う。
 この「カオス」に取り組むために、研究チームはD形状のレーザキャビティを構築した。 D形状レーザデバイス内では、光は、異型壁に沿ってミラーから強制的に跳ね返らされ、無秩序に進む。しかし、このカオスに見える方法は、光放出の安定パタンになる。
 Wang助教によると、次世代ハイテク顕微鏡、レーザプロジェクタ、生体医用イメージングなどのイメージングアプリケーションがこの共同研究チームの目標である。
「われわれは、D形状レーザキャビティが簡単に造れることを確認した。また、問題となるレーザ不安定性の大幅低減に効果的であることも確認した。次のステップは、レーザを一段と効率的にする他のキャビティ形状が存在するかどうかを見いだすことである」と同氏は話している。