July, 3, 2018, Los Angles--UCLA Samueli工学部の研究チームは、最も用途が広い材料の1つ、グラフェンを使い、新しいタイプのフォトディテクタを開発した。これは、現在最先端のものよりも多種類の光で機能する。同デバイス、優れたセンシング、イメージング機能も併せ持つ。
フォトディテクタは光センサである。カメラや他のイメージング機器で、フォトディテクタはフォトンを検知し、そのパターンから画像を生成する。光スペクトルの異なる部分を検知するために様々なフォトディテクタが造られている。例えば、暗視ゴーグルは、裸眼では見えない熱放射を検知するためにフォトディテクタを使う。光の反射方法により、環境の化学物質を特定するカメラでも使われる。
フォトディテクタの多様性と有用性は、概ね3つの要素に依存する。動作速度、低レベルの光への感度、検知できるスペクトル範囲。一般に、エンジニアがフォトディテクタのそれらの領域の1つの能力を改善したとき、少なくとも他の2つの能力が減退する。
UCLAのチームが設計したフォトディテクタは、3つの領域全てで大きな改善を達成した。現状技術と比べて、広帯域光で動作し、画像処理の速度は高速、低レベルの光に感度がある。
「われわれのフォトディテクタは、イメージングとセンシングシステムのフォトディテクタの範囲と利用可能性を拡張することができる。暗視、あるいは医療診断アプリケーションの赤外線イメージングを飛躍的に改善できる。これにより、医師は熱の微妙な違いから、患者についての多くの情報が得る。また、汚染物濃度をより正確に特定するために、環境センシング技術でも利用できる」と電気コンピュータ工学教授、Mona Jarrahiは説明している。
研究成果は、Light: Science and Applicationsに掲載された。
その新しいフォトディテクタは、グラフェン固有の特性を利用している。グラフェンは、単層炭素原子でできた超薄材料。UV光から、可視光、IR、マイクロ波までの広い電磁スペクトルからのエネルギーを吸収できるので、グラフェンはフォトン検出の非常に優れた材料である。また、優れた電気回路でもあり、電子は、妨げられることなく流れる。
フォトディテクタを造るために、研究チームは、シリコン基板をカバーする二酸化シリコン層にグラフェン回路を作製した。次に、金でできた一連の、約100nm幅の櫛形ナノスケールパターンを形成。
グラフェンは、網のように機能して入力フォトンを捉え、フォトンを電気信号に変換する。金の櫛形ナノパターンは、素早くその情報をプロセッサに転送し、微光条件下でも、対応する高品質画像が生成される。
「われわれは特に、グラフェンナノストリップとその金属パッチを設計した。目的は、入力可視光とIR光がその内部に強く閉じ込められるよするためである。この設計は、電気信号を効率的に生成する。電気信号は、可視から意アイルまで、全スペクトル範囲に渡り光の強度で超高速、微妙な変動に追従する」と論文の筆頭著者、UCLAポスドク研究者、Semih Cakmakyapanは説明している。