June, 22, 2018, Ames--米国エネルギー省(DOE)、Ames Laboratoryの研究チームは、超高速分光法を使って、超伝導合金の隠れた物質の状態として電子の相互作用を可視化した。
この隠された状態を作動させるには、量子相互作用を原子レベル、サブアトミックレベルに変えることによって行うが、それには強力なフォトンパルス、つまりフラッシュが冷却された合金をテラヘルツ速度でヒットする必要がある。
さらに、物質の状態の画像を撮る超高速カメラを始動させるには第二のテラヘルツ光が必要になる。それが、十分に理解され調整されると、いずれより高速で熱のない、量子コンピューティング、情報蓄積と通信が実現すると予想されている。
この新しいスイッチング方式と隠れた量子位相の発見は、概念的課題と技術的課題が溢れている。
固体、液体および気体を超えた、物質の新しい電子状態を発見するためには、今日の凝縮系物理学者は、もはや従来の低速、熱力学チューニング方法、例えば温度、圧力、化学組成あるいは磁場を変えるような方法に完全に頼ることができない、とアイオワ州立大学教授、DOE Ames研究所研究者、Jigang Wangは話している。
「超伝導の下にどんな状態が隠されているかは未解決問題であり、ほとんど分かっていない。どんな熱力学チューニング方法でも近づきがたく見える隠された状態もある」とWangは言う。
研究チームが開発した(テラヘルツ光-量子チューニングと言う)新しい量子スイッチング方式は、テラヘルツ周波数で1秒の数兆分の1の短パルスを使い加熱することなく、極低温で抵抗なく電気を通す、超伝導ニオブ-スズに選択的に打ち込む。そのフラッシュが突然、モデル化合物を物質の隠れた状態にスイッチする。
研究成果は、Nature Materialsに発表されている。Wangは責任著者。
ほとんどの場合、この研究で示したような珍しい物質の状態は、不安定で、短命である。今回のケースでは、物質の状態はメタステーブル、つまり崩壊せずに、より一般的な他の物質の過渡状態と比べると数桁長く安定状態にとどまる。
研究者にとって残る課題は、隠された状態の制御法の考案、さらなる安定化、またそれが量子ロジック動作に適用できるかどうかの判定である、とWangは言う。それにより、量子コンピューティングなどの実用的な機能、珍しい量子力学の基礎試験用に隠れた状態を利用できる。
すべて、研究者が新しい量子スイッチングスキームを発見したことが始まりである。これによって新しい物質の隠された状態にアクセスできるようになった。「われわれは、他の方法では達成できない、新しい量子力学的な物質を作り、コントロールしようとしている」とWangは話している。
(詳細は、https://www.iastate.edu/)