June, 22, 2018, Los Alamos--Los Alamosの研究チームと、独仏のパートナーが、量子情報処理向けにシングルフォトンエミッタとしてのカーボンナノチューブの高い可能性を追求している。研究チームによる、その分野の進歩の分析は、Nature Materialsに発表されている。
論文の著者の一人、ロスアラモス国立研究所の研究者、Stephen Doornは、「われわれは特に、ナノチューブのフォトニックキャビティ組み込みの進歩に関心を抱いている。狙いは、光発光特性の操作と最適化である」とコメントしている。「加えて、エレクトロルミネセンスデバイスに組み込まれたナノチューブは、発光タイミングの制御性を大幅に向上させることができ、またフォトニック構造にも上手く組み込める。われわれはカーボンナノチューブの欠陥状態の成長と光物理プロービングに興味を集中させている。通信波長で室温シングルフォトンエミッタへのルートとしてである」。
チームの概説は、フランスとドイツの研究者との協働によるものである。パリ(Christophe Voisin)の研究者は、発光レート変更のためにフォトニックキャビティへのナノチューブ組み込みを進めている。また、カールスルーエ(Ralph Krupke)では、ナノチューブベースのエレクトロルミネセンスデバイスとフォトニック導波路構造とを統合している。ロスアラモスの注力点は、量子放出を室温と通信波長にするために、ナノチューブ欠陥の分析である。
この領域で単層カーボンナノチューブの利用は、ロスアラモスのCINTチームが注力するところであり、そこでは研究チームは、意図的な欠陥を作るためにナノチューブ構造を化学的に修正する能力を開発した。それにより、励起子を局所化し、その放出を制御できるようになった。Doornによると、次のステップは、ナノチューブを光共振器に組み込むことに関わる。目的は、光源の輝度向上と区別できないフォトンの生成。「われわれは、互いに区別できないシングルフォトンを作る必要がある。また、シングルフォトンは、デバイス集積に最適なチューブを機能的にし、欠陥サイトと環境的な相互作用を最小化する能力に依存するものである」と同氏は話している。
「最新技術の明示に加えて、関心を集中していたことは、将来の進歩が課題であり、この分野での前進にとって最も有望な将来の方向と考えられることの設計である。究極的には、より多くの研究者をこの分野に引き込みたい」とDoornは言っている。
(詳細は、www.lanl.gov)