Science/Research 詳細

固体結晶からの高次高調波発生の偏光分解測定

June, 19, 2018, 東京--東京大学大学院 工学系研究科附属 光量子科学研究センターの篠原康 特任研究員、同工学 系研究科原子力国際専攻の石川顕一 教授並びに東京大学物性研究所(物性研) 板谷治 郎 准教授および東京大学生産技術研究所 芦原聡 准教授の研究グループは、セレン化ガリウ ム結晶から発生した光の高次高調波を詳しく解析することにより、高調波の偏光状態がバンド 分散の曲率の異方性によって決まることを見出した。
 これは、全光学的な電子状態(バン ド構造)計測法の創出へ向けて、大きな一歩となる成果。研究成果は、Physical Review Lettersに掲載された。

発表の要点
◆高強度中赤外レーザをセレン化ガリウム結晶に照射し、発生した高次高調波の 2 次元偏光状態を観測した。
◆高次高調波の偏光状態に現れる結晶の対称性からは直感的には理解できない振る舞いが、バ ンド分散の曲率の異方性によって理解できることを見出した。
◆極限状態下や過渡的な状態等の従来法の適用が困難な状況における、全光学的な電子状態 (バンド構造)の計測法の創出に向けた大きな一歩として期待される。
(詳細は、http://www.t.u-tokyo.ac.jp)