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MIT、方向によって光の波をフィルタリングする初めての方法

April, 3, 2014, Cambridge--光の波は3つの基本的特性、色(波長)、偏光、方向で定義できる。色と偏光で選択的に光をフィルタリングすることは以前から可能だったが、伝搬方向に基づいて選択することは難しいままになっている。
 MITの研究チームは、波長を問わず1つの特定の角度から来る光のみを透過させるシステムを作製した。この新しいアプローチは、究極的にはソーラPV、望遠鏡や顕微鏡の検出器、ディスプレイスクリーン用のプライバシーフィルタの進歩につながる。
 この新しい構造は、2種の材料を交互にスタックした超薄型層でできており、各層の厚さは厳しくコントロールされている。論文の著者の1人、物理学教授、Marin Soljačić氏は、「2つの材料があるとき、一般にその境界でいくらかの反射が起こる。しかし、この界面にはブリュスタ角という特別な角度があり、正確にその角度に、適切な偏光で入ってくると、反射は全く起こらない」と説明している。
 これらの界面の1つ1つで反射される光の量は小さいが、同じ特性を持つ層を多数組み合わせることでほとんどの光は反射し除去できる、ただし適切な角度と偏光で入ってくる光は例外となる。
 精巧な厚さの層を交互に約80層スタックして使い、非常に広い範囲の色(可視域全体)のほとんどの角度で光を反射できる。
 以前の成果は、厳密に1つの角度を除いて、光を選択的に反射する方法を実証するものであり、このアプローチは光波長の狭い範囲に限定されていた。新しいシステムの広さは、多くの潜在的なアプリケーションに道を開くものである、と研究チームは説明している。
 原理的に、角度の選択性は、スタックにさらに層を加えるだけで狭くすることができる。これまでに行った実験では、選択角は約10°、その角度内で入射する光の約90%が透過できる。
 この実験はガラスと酸化タンタルの層を用いて行われたが、研究チームによると原理的には異なる屈折率を持つ任意の2つの材料が使える。
(詳細は、www.mit.edu)