May, 24, 2018, Karlsruhe--純粋石英ガラスは透明度が高く、熱的、物理的、化学的影響に耐性がある。これらは、オプティクス、データ技術、医用工学での利用にとって最適条件である。しかし効率的、高品質加工、十分な加工が欠如している。カールスルーエ工科大学(KIT)の研究者が、石英ガラスをポリマーのように形成する技術を開発した。研修成果は、Advanced Materialsに発表された。
KITのマイクロ構造技術研究所(IMT)学際的研究グループNeptunLab長、Dr. Bastian E. Rappは、「高純度石英ガラスとその優れた特性を単純な構造化技術と結びつけることは常に難題だった」と言う。「ガラスを800℃に加熱してガラスブロックの一部をレーザまたはエッチングで形成あるいは構造化する代わりに、われわれは最小のガラス粒子から出発する」と同氏は言う。研究チームは、40nmサイズのガラス粒子を液体ポリマーと混合し、スポンジケーキのような混合物を形成する。それを加熱と光露光により固化する。結果として得られた固体は、60~40 vol%マトリクスのガラス粒子で構成されている。そのポリマーは、結合剤のように働き、適切な位置にガラス粒子を維持し、したがって形状が保たれる。
この“Glassomer”は、挽く、回転、レーザ加工あるいはCNC加工機で従来のポリマーと同様に加工できる。「ポリマー形成技術の全範囲は現在ガラスに開かれている」とRappは強調している。中でもスマートフォンに使われている高性能レンズの製造向けに研究チームは、Glassomerロッドを製造し、それからレンズをカットする。高純度石英ガラスには、混合物のポリマーは除去されなければならない。そのために、レンズは500~600℃の炉で加熱され、ポリマーは完全に焼かれてCO2になる。材料内に結果的に現れるギャップを埋めるために、レンズは、1300℃で焼結される。この工程中、残りのガラス粒子が圧縮されて孔のないガラスになる。
この形成技術により、これまではポリマーだけが適していたどんなアプリケーションにも適する高純度ガラス材料の製造が可能になる。これは、ガラス加工業界および光学産業、マイクロエレクトロニクス、バイオテクノロジー、医用工学にとって新たなチャンスになる。「われわれの工程は量産に適している。石英ガラスの製造と利用は、特殊ポリマーと比べると著しく安価であり、持続性があり、エネルギー効率が優れている」とRappは説明している。
(詳細は、www.kit.edu)