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1量子ビット量子コンピュータでも古典コンピュータより強い

May, 23, 2018, 東京/京都--大量の量子ビットを自由自在に使用し、任意の量子アルゴリズムを走らせ、完全にエラー耐性のある巨大な量子コンピュータを実現することは量子計算の研究者らの究極のゴールだが、それはまだ遠い未来のことかもしれない。近い将来に実現できる技術のみで作られる「弱い」量子コンピュータでも、古典コンピュータより「強い」ことを示す理論的・実験的研究が注目を集めている。
 京都大学 基礎物理学研究所 森前智行講師および理学研究科 藤井啓祐特定准教授らの研究グループは、国立情報学研究所 小林弘忠特任研究員、名古屋大学 大学院情報学研究科 西村治道准教授、東京大学 先端科学技術研究センター 玉手修平 特任助教、日本電信電話(NTT) 谷誠一郎上席特別研究員らと共同で、実質的に1量子ビットしか使えないような「弱い」量子コンピュータでも、ある場面では古典コンピュータより「強い」ことを、理論的に証明した。また、今回発見した手法は、他のタイプの弱い量子計算モデルにも応用することができ、それらのモデルについても、従来よりも強固な計算量理論的基盤で古典コンピュータに対する優位性(量子スプレマシー)を証明しなおすことにも成功した。
 研究成果は、Physical Review Lettersにオンライン掲載された。
(詳細は、www.ntt.co.jp)