May, 22, 2018, Berlin--地球観測ロケットについてのJOKARUS実験が成功した。これは、最高精度のレーザ測距の要であり、光衛星ナビゲーションシステムの先駆である。
分子イオンに基づいた周波数リファレンスの実証が初めて成功した。これは衛星間のレーザ干渉測距に向けて、また光技術をベースにした将来の地球ナビゲーション衛星システムのための重要な一歩である。周波数リファレンステストは、地球観測ロケットTEXUS54で5月13日に行われた。ペイロードの中心、コンパクトなレーザシステムは、HU BerlinとFerdinand-Braun-Institutが主に開発し、これが宇宙に最適であることが実証された。
JOKARUS(無重力下のヨウ素コム共振器)、分子ヨウ素に基づいたアクティブ光周波数リファレンスが初めて宇宙で品質認定された。その結果は、宇宙での光時計使用に向けた重要な節目である。そのような時計は、とりわけ、正確な位置決めデータを提供する衛星ベースのナビゲーションシステムで必要とされる。また、重力波の検出、地球の重力場の計測など基礎物理学研究にとっても同様に重要である。
実験は、ヨウ素分子遷移、周波数倍加1064nm ECDLの完全自動周波数安定化を実証した。ソフトウエアとアルゴリズムを統合したことでレーザシステムは完全に独立動作した。比較のために、別のFOKUS II実験の光周波数コムを用いた周波数計測も同じ宇宙飛行中に行われた。
コンパクトなダイオードレーザシステムの背後に包括的なノウハウ
JOKARUSペイロードは、Joint Lab Laser Metrologyの一環として、HumboldtUniversität zu Berlin (HU Berlin)の指揮下で開発、実装された。Ferdinand-Braun-Institut (FBH) と HU Berlinが共同運営してるラボが、宇宙アプリケーション向けのダイオードレーザシステム領域で両研究機関のノウハウを統合している。擬似モノリシック分光モジュールはベルリン大学が提供、駆動エレクトロニクスはMenlo Systemsが提供した。
レーザシステムの中心は、FBHが開発、実装したマイクロ集積ECDL MOPA。ECDLは、局所発振器(主発振器、MO)として動作し、リッジ導波半導体増幅器がパワーアンプ(PAQ)として動作する。1064nmダイオードレーザモジュールは、125×75×22.5㎜小型パッケージに完全封入されており、26kHz(FWHM、1ms計測時間)のフリーランニングレーザ線幅内で570mWの光パワーを提供する。偏波保持シングルモード光ファイバにより、レーザ光は、まず2つのパスに分けられ、変調され、周波数倍加され、ドップラーフリー飽和分光のために処理される。JOKARUS内の技術開発は、ドイツ航空宇宙センタ(DLR)が助成し、以前のFOKUS, FOKUS reflight, KALEXUSおよび MAIUSミッションに立脚している。
(詳細は、www.fbh-berlin.com)