May, 17, 2018, 福岡--九州大学先導物質化学研究所の横山士吉教授の研究グループは、日産化学工業株式会社とともに優れた電気光学特性と熱安定性を持つポリマーの開発を、アダマンド並木精密宝石株式会社とともに超高速光変調器のモジュール開発を進め、従来技術の無機系光変調器では到達困難な光データ伝送の高速化と低電圧制御に成功した。
近年の情報通信量の膨大な増加に伴い、通信機器の高性能化と消費電力の大幅な低減が求められている。また、データセンタ用の大容量伝送技術でもコスト低減が求められている。ポリマー光変調器は、これらの要求に応える新技術として期待されているが、熱安定性などの問題で実用化は困難とされてきた。
研究グループは、ポリマー光変調器の熱安定化と光伝送の高速化・省電力化を進め、光伝送実験において伝送速度毎秒112Gbpsを達成し、かつ動作電圧を1.5Vに低減、105℃での熱安定性の実現に成功した。グループはポリマー光変調器のシリコン光集積技術への応用も目指しており、データセンタやIoTなど新しいネットワーク技術の高速化・省電力化・低コスト化につながることが期待できる。
成果は、Conference on Laser and Electro-Optics (CLEO 2018)で発表された。
(詳細は、www.kyushu-u.ac.jp)