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バイオチップのインプリンティングに新ツールを開発

May, 7, 2018, New York--新技術により研究者は、より多くの生化学プローブをバイオチップに装着し、病気の発症に関係する変化のスクリーニングや分析コストを下げることができる。またバイオテロリズム物質の検出、他の研究分野も可能になる。
 3Dプリンティングは近年、さまざまな機能製品、ツールから衣服、医療デバイスなどの実現する手段として人気が出てきている。多次元プリンティングのコンセプトを役立てることで、ニューヨークシティ大学先端科学研究センター(ASRC)の研究チームは、バイオチップ(マイクロアレイ)を準備する、潜在的により効率的でコスト効果の高い新方法を開発した。これは、病気の発症、バイオテロリズム物質、生体成分を含む他の研究分野に関連する生物学的変化を探り、分析するために使用される。
 Chemに発表された論文で、ASRCのNanoscience Initiative研究者は、マイクロ流体技術とビームペンリソグラフィ、光化学表面反応を統合して新しいバイオチッププリンティング技術を実現する方法を詳述している。その方法では、バイオチップ表面を特殊有機試薬に晒し、一層強く集束された光ビームを使って固定試薬チップ表面に付着させる。そのプロセスにより研究者は、繰り返しシングルチップを同じ、あるいは異なる要素に触れさせ、バイオチップの異なるセクションに反応をインプリントすることができる。結果は、現在の商用プラットフォームで達成できるよりも多くのプローブを収容するバイオチップである。
 「これは、根本的に新しいナノスケールプリンターである。これによってわれわれは、バイオチップ表面に、現在の商用利用技術よりも、より複雑なものをインプリントできる。細胞や生物学的経路がどのように働くかの理解に大いに役立つ」と首席研究者、Adam Braunschweigは説明している。
 新しいツールのもう1つの利点は、研究者がさまざまな、繊細な物質、ガラス、金属、脂質などに、生物学的相互作用の長さスケールで、クリーンルームなしで高信頼にプリントできることである。また、研究者は、単一チップにより多くの反応性プローブを収容できる。
 ASRC研究者は、これらバイオチップ作製のための新技術を微調整する方法を探求している。「われわれは、より多くの複雑な表面相互作用を記録し、分解能をシングル分子まで改善したい。この技術は、マイクロアレイ作製の新たな方法を生み出し、生物学的オミクス研究全分野にとって役立つ」と論文の筆頭著者、ASRC Research Associate、 Carlos Carbonellは話している。
(詳細は、www.asrc.cuny.edu)