April, 25, 2018, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)の増子拓紀主任研究員、小栗克弥主幹研究員、後藤秀樹主席研究員と横浜国立大学の千菅雄太工学府博士課程前期学生、片山郁文准教授、増田裕行工学府博士課程前期学生、武田淳教授は、クロム材料を添加したサファイア(Cr:Al2O3)物質内において、光を照射した際に、アト秒周期で振動する電子運動の観測に世界で初めて成功した。
この電子の振動周期は667–383アト秒に達し、時間分解計測における世界最高速の振動応答。この観測は、極短時間で煌めく単一アト秒パルスの短パルス化、および時間分解計測に用いる光学系の超高安定化により実現された。さらにこの研究では、物質内で混在する二つの材料(クロムとサファイア)間で、電子振動が異なった減衰時間(振動の継続時間)を有していることを初めて解明した。これらの超高速の電子振動や減衰過程を解明することは、物質の新たな光機能性を創出する上で重要な知見になることが期待できる。また、将来の光デバイスの特性改善にもつながると考えられる。
研究成果は、Nature Communicationsで公開された。
(詳細は、www.ntt.co.jp)