April, 6, 2018, 東京--NICTネットワークシステム研究所とフジクラは、既存設備でケーブル化が可能な標準外径(0.125mm)、3モード伝搬の広帯域波長多重伝送が可能な光ファイバを開発し、モードにより光信号の到着時間が異なるマルチモードファイバの問題点である大容量と長距離伝送を同時に満たすことが難しい現状を克服し、159Tbpsで1045kmの伝送実験に成功した。
この結果は、伝送能力の一般的な指標である伝送容量と距離の積に換算すると、毎秒166ペタビット×kmとなり、標準外径光ファイバにおいてのこれまでの世界記録の約2倍になる。今回、伝送容量を確保するため348波長全てに対して16QAMという実用性の高い高密度な多値変調光信号をモード多重し、MIMO処理を行い、伝送距離を1000km超まで伸ばし、大容量基幹系の通信で利用可能であることを示した。
伝送システムを構成する要素技術
・標準外径0.125mmの3モード光ファイバ
・348波長一括光コム光源
・1パルス4ビット相当の16QAM多値変調技術
・ファイバ中の伝搬速度が異なるマルチモード光信号の分離技術(MIMO処理)
論文は、第41回光ファイバ通信国際会議(OFC2018)にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)として採択された。
(詳細、www.nict.go.jp)