March, 29, 2018, Moscow--モスクワ物理学・技術研究所(MIPT)の研究チームは、超高速量子インターネットの基盤となりうる材料を「再発見」した。Quantum Informationに発表された論文は、無条件に安全な量子通信でデータ伝送を1Gbps以上にする方法を示している。
MIPTの研究チームは、シリコンカーバイド(SiC)にソリューションを見いだしている。
現在、この材料は、非常に硬く耐熱性があることで知られており、ハイパワーエレクトロニクス、防弾チョッキ、Porsche、Lamborghini、Ferrariが製造するスポーツカーのブレーキで使用されている。
Dmitry Fedyaninは、研究チームとともにシリコンカーバイドの色中心のエレクトロルミネセンスの物理を調べ、電気注入でシングルフォトンを放出する理論を考えついた。これは、実験結果を説明し、正確に再現するものである。色中心は、シリコンカーバイドの格子構造における点欠陥である。シリコンカーバイドは、欠陥が存在しないとき、材料が透明な波長でフォトンを放出、または吸収できる。このプロセスは、電気駆動シングルフォトン光源の核心にある。その理論を使い、研究チームはSiCベースのシングルフォトン放出ダイオードをどのように改善すると一秒に数十億のフォトンを放出するかを示した。1Gbpsオーダーのデータ転送レートで量子暗号プロトコルを実行するのに必要なものは正にそれである。論文の共著者、Igor Khramtsov and Andrey Vyshnevyyは、シングルフォトン放出輝度に関して、シリコンカーバイドに匹敵する新材料は見つかりそうであると指摘している。しかし、シリコンカーバイドと違い、それらはデバイスを量産で使用するには新しい技術プロセスを必要とすることになる。一方、シリコンカーバイドベースのシングルフォトン光源は、電子集積回路(IC)製造の標準であるCMOS技術に適合している。このことは、実用的な超広帯域で、無条件に安全なデータ通信線構築に、SiCが最も有望な材料であることを意味している。
(詳細は、www.mipt.ru)