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NICT、テラヘルツ帯の精密な高周波電力測定を実現

March, 14, 2018, 東京--NICTは、産業技術総合研究所(産総研)と共同で、テラヘルツ帯(220GHz~330GHz)の高周波電力計を較正する 標準器の開発に成功した。
 この技術の開発により、国家標準にトレーサブルな精密測定が可能になり、高周波電力計の較正業務について、従来の170GHzまでの周波数範囲に、新たに220GHz~330GHzの範囲を追加することができた。これにより、現在、電波法で移行が進められている300GHzを計測する新スプリアス規格に対応した無線機器の特性測定が可能になる。テラヘルツ帯の電波の強さ(電力)については、これまで強い・弱いといった定性的な扱いにとどまっていたが、正確な数値で300GHz帯の電波を扱えるようになる。
 220GHz~330GHzの高周波電力計の較正サービスは、2018年4月から受付開始の予定。
 今回の成果は、2018年2月5日、米国 「IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement」のオンライン版に掲載された。
 NICTと産総研は、これまで共同で取り組んできた研究開発の技術を活かして、今回、220GHz~330GHzのテラヘルツ帯の高周波電力を計測できる標準器を開発した。標準器が開発されたことで、これまで明確な基準がなかったテラヘルツ帯の高周波電力の値に対し、「基準」を与えることが可能となった。今後、この標準器を基準にした、テラヘルツ帯の電波利用の促進が期待される。
また、今回開発した標準器は、産総研が長年培ってきた等温制御型ツインドライカロリーメータの技術を採用している。これにより、市販の高周波電力計を7.2 %以下の精度で較正することが可能となり、220GHz~330GHzの高周波電力を正確に測定できるようになった(170GHz~220GHzについては、2020年サービス開始予定)。
 NICTは、引き続き、産総研と共同で、周波数170GHz~220GHz用の高周波電力を計測するための標準器の開発を行う。また、テラヘルツ帯における高周波電力計測技術、電力計の較正技術に関する研究開発を進め、テラヘルツ帯を用いた電波利用の促進に貢献していく。
 周波数220GHz~330GHzにおける高周波電力計の較正サービスは、2018年4月から受付開始の予定。
(詳細は、www.nict.go.jp)