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ドローンに軽量ハイパースペクトラルイメージャ搭載

March, 6, 2018, Washington--Optics Expressに発表されたノルウェーの研究者の成果によると、研究チームは3Dプリンティングとローコスト部品を使って、ドローンに搭載できる軽さの安価なハイパースペクトルイメージャを作製した。研究チームは、このイメージャ作製用の製法を提供している。従来の高価な分析技術の利用拡大が目的である。
 ハイパースペクトルイメージャは、従来のカラーカメラに画像を生成するが、検出する色は、通常のカメラの3色ではなく、数百色である。ハイパースペクトル画像の各ピクセルは、全可視光スペクトルをカバーする情報を含んでいる。そのデータを利用して、自動的に物体を検出、分類したり、海の色を計測して有害な藻の成長マップを作成できる。従来のハイパースペクトルイメージャは、コストが数万ドル、大きくて重い。
 研究チームが開発した可視光波長ハイパースペクトルイメージャは、重量が1/2ポンド以下、700ドル程度である。研究チームは、このイメージャをドローンに搭載してデータを取得できることも実証している。
 ノルウェーのスヴァールバルにある大学センター(UNIS)の研究チームのリーダー、Fred Sigernesは、「このハイパースペクトルイメージングは、広大な地形の地図を作成できる、飛行機やヘリコプタ-ーを使って、高価で大きな計測器を運ぶ必要はない」とコメントしている。

3Dプリンターで部品作製
 デスクトップ3Dプリンターで、イメージャに必要な特注オプティクスホルダを簡単に造れる。Sigernesは、「金属で部品を造るのは時間がかかり、非常に高価である。しかし、プラスチック3Dプリンティングは安価であり、複雑な部品、たとえば光を分散させるグレーティングの固定に必要なピースの製造は、安価であり、非常に効果的である」と説明している。
 研究チームが作製したハイパースペクトルイメージャ、いわゆるプッシュ・ブルーム技術を利用する。これは、正確なラインスキャニングを用いてスペクトル画像を作り上げる。研究チームは、ドローンの動きが、生成される画像をゆがめないように、セットアップに安定化システムを取り付けている。
 Sigernesは、「プッシュ・ブルームハイパースペクトルイメージャは、一般に、高価な配向安定を必要とするが、今では、非常に安価なジャイロスコープベース、電子的安定化システムを購入することができる。このような新しいシステムの登場により、安価なハイパースペクトルイメージャが造れるようになった」と説明している。