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集積メタサーフェスで導波路の光波長を変換

February, 19, 2018, Cambridge--集積メタサーフェスは、導波路内で広帯域にわたり光波長を変換する。
 集積フォトニック回路の開発で最大の課題の1つは、光の運動量の制御である。光波長は、異なるスピードで材料を伝搬するが、光の波長変換では、同じ運動量または同じ位相が必要である。
 多くのデバイスは、集積回路の様々な点で運動量整合、あるいは位相整合となるように設計されているが、もし特定の場合に位相プロセスが回避できるとしたらどうなるだろう。
 ハーバード大学(Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences)の研究チームは、コロンビア大学(Fu Foundation School of Engineering and Applied Science at Columbia University)のチームと協力して、光の1つの波長を位相整合なしで別の波長に変換するシステムを開発した。この成果はNature Communicationsに発表された。
 「どんな波長変換プロセスでも効率的にするには、位相整合となるように注意深く設計しなければならず、しかもそれは一波長でしか機能しない」とSEASの電気工学教授、Tiantsai Linは説明している。「この研究で示したデバイスは、対照的に、位相整合要件を満たす必要はなく、しかも広い波長範囲で光を変換できる」。
 その波長変換器は、シリコンナノ構造アレイで構成されたメタサーフェスで、リチウムナイオベート導波路に集積されている。光は導波路を透過し、その過程でナノ構造と相互作用する。ナノ構造アレイは、TVアンテナのように機能する。光信号を受信し、その運動量を操作し、それを再度導波路に戻し放出する。
 「メタサーフェスに対して光が垂直に伝搬するほとんどのメタサーフェスと違い、ここでは光は、導波路内に閉じ込められながらメタサーフェスと相互作用する。この方法で、メタサーフェスと長い作用長の両方からの運動量を制御する」とSEASのポスドクフェロー、Cheng Wangは説明している。
 研究チームは、広帯域にわたり高効率で波長の周波数を2倍に、つまり近赤外光を赤色にできることを実証した。以前の研究では、研究チームは、同様の構造を使い、偏光と導波モードを制御、変換できることも実証した。
 「集積メタサーフェスは、他の位相整合メカニズムと異なる。集積メタサーフェスは、光を一方向に伝搬し、一方の光成分からの光エネルギーを他方の成分に結合する点で他のメタサーフェスと異なっている。逆方向への伝搬はできなくなっている。これはブロードバンド非線形変換の実現にとっては重要である」とコロンビア大学、応用物理学准教授、Nanfang Yuは言う。「今後は、光変調など他の機能を実現するために、メタサーフェスベースで広帯域集積光デバイスを実証する」と同氏は話している。
(詳細は、www.seas.harvard.edu)