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3Dプリンターなどに応用、蜂蜜のような高粘度液体を射出可能な装置を開発

February, 6, 2018, 東京--東京農工大学大学院工学研究院先端機械システム部門の田川義之准教授と同大学院博士後期課程在籍の大貫甫、同大学院博士前期課程在籍の大井雄登は、蜂蜜のような非常に粘り気の強い液体を射出できる装置を新たに開発した。この成果は3Dプリンターや金属配線などの次世代インクジェット技術をはじめ、無針注射や細胞印刷など幅広い分野での応用が期待される。
 研究では液体射出の駆動力として、液体容器に打撃を与える手法に着目した。開発した装置ではこれに加え、液体の入った容器内に細管を挿入し、細管内部の液面を下げる工夫を施した。この工夫により、細管内の液体を非常に効率良く加速できることを発見。その結果、水の1,000倍の粘度を持つ液体やマニキュアのような特殊な液体の射出に成功した。さらに、開発した液体射出メカニズムを、高速度カメラを用いた実験および数値シミュレーションにより明らかにした。これにより、高粘度液体の射出の様子も理論的に予測可能となった。この成果は、従来のインクジェット技術の課題であった粘度の制限という壁を取り払うだけでなく、3次元ものづくりや生体印刷など次世代ものづくりの基盤になることが期待される。
 開発した装置は、3Dプリンターや金属配線などに用いられる液体樹脂や金属など非ニュートン流体と呼ばれる特殊な液体も射出できる見込みがある。さらに生体液など小さな粒子を含んだ液体は医療分野で多く使われる。これらさまざまな液体の射出を行える本装置は、生体印刷や無針注射など医療分野の技術発展への貢献も期待できる。
(詳細は、www.tuat.ac.jp)