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世界最高速の共焦点蛍光顕微鏡を開発

February, 2, 2018, 東京--東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻の三上秀治助教、合田圭介教授らは、情報通信技術を応用することで生体の観察に不可欠な共焦点蛍光顕微鏡の撮像速度を桁違いに高速化する技術を開発し、毎秒16000フレームの速度で生体試料を観察することに成功した。また、同技術を応用して世界で初めて生体試料の3次元蛍光像を毎秒104コマの高速度で捉えることや、膨大な量の細胞の画像を短時間で取得・解析し、異なる細胞集団を高精度に識別できることを実証した。
 研究成果は、今後、多数の細胞画像から導かれる基礎科学の新たな発見や血中細胞からのがん診断やバイオ燃料生産微生物の開発などへの応用展開が期待される。
 研究成果は、Opticaオンライン版で公開された。
 研究では、、周波数分割多重や直交振幅変調と呼ばれる技術を用いて、生体試料の別々の場所から出てくる蛍光信号をまとめて捉えることで、撮像時間を大幅に短くした。これにより、1秒あたり16000フレームというきわめて高速度で生体試料の観察像を取得することに成功した。従来の共焦点蛍光顕微鏡は1秒に数フレーム~数十フレーム程度の画像を取得するのが一般的なので、従来よりも1000倍程度高速であると言える。
 この技術を応用して、水中を動きまわるユーグレナの3次元的な動きを、世界で初めて毎秒104コマという高速度(一般的なテレビ映像の毎秒60コマを上回る速度)で捉えることに成功した。さらに、細胞集団を整列させて流体中を高速に流す技術と組み合わせることで、約5000個という膨大な量の細胞の個々の画像を短時間で取得・解析し、別々の条件で準備された細胞試料(マウスの白血球)を、約99%の高精度で識別できることを実証した。
(詳細は、www.jst.go.jp)