March, 27, 2014, Tübingen--ペンシルバニア大学が設計した、急性脳卒中患者の脳血流(CBF)を非侵襲的、継続的にモニタするデバイスを使うことで、ベッドの頭(HOB)の位置が脳に至る血流にいかに影響をあたえるかが同大学の研究チームには分かってきた。
急性脳卒中で入院したほとんどの患者は、損傷を受けた組織の周囲の傷つきやすい脳の部位でCBFが増えるように、少なくとも24時間横たわっている。研究チームがStroke誌に発表した論文によると、平坦なHOBでは確かにほとんどの脳卒中患者の損傷を受けた脳半球でCBFが増えるが、患者の約1/4は逆説的な反応を示し、頭の角度を上げるとCBFが最高になることが分かっている。
研究チームは、患者のベッドサイドで非侵襲的、連続的にCBFをモニタする新しい光学デバイスを開発しテストしてきた。技術開発のキーポイントは、頭の表面に置く非侵襲的プローブ。このプローブは、頭蓋骨から脳内に、さらに組織表面に戻ってくる近赤外光の変動を計測する。この変動は、組織内の赤い血液細胞が動くことによって生ずるもので、脳組織のCBFを正確に追跡することが示されている。この新しい光技術は拡散相関分光法(DCS)と言い、HOB位置によるCBFの変化検出感度は経頭蓋ドップラ(TCD)よりも優れていることが証明されている。TCDは音響波を使って脳に血液を供給する大動脈の血流速度を定量化する装置。
ペンシルバニア大学医学大学院、神経学、放射線医学教授、John A. Detre, MDは、「この研究は、リアルタイムで個別処置をするために、最先端技術利用の潜在力を示すものだ」とコメントしている。
(詳細は、 www.upenn.edu)