December, 20, 2017, Washington--単に液体を加えるだけで反射から透明まで変わるプロトタイプウインドウが実証された。新しい切り替え可能ウインドウは製造が容易であり、いずれ日向に駐車中の自動車を涼しくしたり、オフィスビルの熱効率を改善したりできるようになる。同技術は、住宅を夏に涼しく、冬に温かくする屋根パネル作製にも利用できる。
電圧を印加して透明から不透明あるいは着色状態にするガラスは市販されているが、そのコストは1平方フットあたり約100ドルであるため、普及していない。
デラウェア大学(University of Delaware)の研究チームのリーダー、Keith Goossenは、「われわれのスマートガラスのコストは、現在のスマートガラスのコストの1/10になる見込みだ。われわれのバージョンは、多くのプラスチック部品製造に使用されるのと同じ方法で造ることができ、切り替えに複雑な電気-光技術は不要である」と説明している。
新しいスマートウインドウは、回帰反射する構造パタンを持つプラスチックパネルを含んでいる。それは、鏡のように光をあらゆる方向に反射するのではなく、自転車のリフレクタのように光をそれが来た方向に反射する。
研究チームは、Optics Expressに発表された論文で、薄いチャンバで覆われた、3Dプリント・プラスチックパネルで構成される新しいスマートガラスのプロトタイプを発表している。チャンバが、プラスチックの光学特性に整合するサリチル酸メチルで満たされたとき、回帰反射構造は透明になる。
「優れた光学性能の3Dプリント可能なプラスチックを加工する新しい方法を開発し、安価な屈折率整合液を開発して、高反射性構造を作り出す必要があったが、このイノベーションではそのようなシンプルなコンセプトが有効であることがほとんど認識できるようになっている」。
新しい切り替え可能ガラスを造るために研究チームは、3Dプリンティングを使用して,テスト用に様々なサイズの反復する回帰反射構造のプラスチックパネルの作製を始めた。研究チームは市販の透明な3Dプリントできる材料を使い、プリントした後もプラスチックの透明度が確実に高いままであり、回帰性達成に重要な、精密なコーナーとなるように後加工するステップを開発した。
「3Dプリンティングがなければ、成形技術を使用しなければならなかった。全ての異なる構造に異なる型を造ることになる。3Dプリンティングでは、必要な構造が何であっても簡単に造れ、その性能を見るために実験を行うことができた。商用生産では、標準的な射出成形を使って安価に回帰反射パネルを造ることができる」とGoossenは言う。
繰り返し構造に使用する適切なサイズが分かると、研究チームは光学試験を行って、表面粗さ、材料の光吸収などの特性が予想外の光学的問題を起こすことがないかどうかを調べた。このような光学的試験により、構造が光学シミュレーションで示された通り正確に機能することが明らかになった。
(詳細は、www.udel.edu)