December, 15, 2017, Dresden--フラウンホーファー(Fraunhofer) IPMSの開発チームは、光を使って大容量データを交換するLiFiが、産業環境で現在使用されているWiFiネットワークと激しい競争になると確信している。
様々なユーザーが同時にアクセスポイントを利用できることに加えて、IPMS開発の光伝送技術は、個々のユーザーが複数のアクセスポイントで通信することも可能にする。したがって、もはやLiFiは、固定アプリケーションに限定されない。
スマートファクトリーの時代、ますます多くのユーザーが、諸設備、工業生産あるいは装置の保守で使用されるデバイス間の無線データ転送に依存する。しかし、これらのWiFiソリューションは、コンシューマー分野で実証済みとは言え、高度な自動化製造環境では、すぐにその限界に達する。WiFiネットワークは干渉の影響を受けやすい。他のワイヤレス方法、ブルートゥースアプリケーションなどが、部分的に同じ周波数範囲で伝送しており、マルチチャネル割り当てや周波数利用のオーバーラップが起こるからである。また、ユーザー数の増加にともない遅くなり、伝送データが多くなると、データレートも通信サイクルタイムも減速するからである。WiFiネットワークは、悪用の影響も受けやすい。技術力のあるハッカーなら暗号化されたネットワークでも比較的容易に破ることができる。
IPMS光データ伝送(LiFi)は、あらゆる点で性能が優れている。LiFi-Hotspotトランシーバシステムは、光スペクトルを使用する、これは世界中で規制なく利用可能である。これにより、無線をベースにしたシステムからの干渉を除去できる。1Gb/sまでの帯域は、現在のWiFiワイヤレスソリューションよりもはるかに高速である。また、閉鎖空間では、すべてのLiFiネットワークはハッカーの攻撃に対して安全である。
とは言え、光データ転送にはシステム的脆弱性がある。トランスミッタとレシーバ間の見通し軸が遮られてはならない。これは大きな弱点であり、特にモバイルアプリケーションでは弱点。LiFi技術を使用する際に固定アプリケーションシナリオに限定されないようにするために、フラウンホーファーIPMSの技術者は、多点間ソリューションに取り組んでいる。
「われわれの通信モジュールにより、複数ユーザーが同じスポットで同時に動作可能になる」とプロジェクトマネージャ、Dr. Alexander Noackは説明している。「同時に、各ユーザーが製造ラインに沿った異なる、重複アクセスポイント間で切替可能である。十分なカバレッジがあると、モバイルユーザーに常に自由な見通し軸を保証できるので、中断のないデータ交換が可能である。無線インフラで可能なよりももっと高速、安定的、安全である」。
フラウンホーファーIPMSのドライバレス伝送/受信モジュールは、光トランシーバと、ギガビットEthernetインタフェースを持つプロトコルコントローラを統合しており、標準産業システムに簡単に組み込み可能である。