December, 14, 2017, Washington--ナノスケールグラースライク(草系)構造を使うことでピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)の研究チームは、ぼやけて見えながら大量の光を透過させるガラスを作製した。そのように高レベルのぼやけと透過性を同時に持つガラスが造られたのは今回が初めて。これは太陽電池やLEDの性能向上に役立つ特性の組み合わせである。
そのガラスは、もう一つ注目すべき性質を示しており、水を利用することでぼやけからクリアに切替可能である。これにより、部屋のプライバシーコントロール、あるいは太陽のギラつき防止のためにぼやけ、つまり不透明性を変えるスマートウインドウ実現に役立つ。
Oprticaに発表された論文によると、研究チームは、新しいナノグラースベース(草系)ガラスは、記録的な95%の光透過率と同様に高いレベル不透明性を同時に達成する。研究チームは、高さ0.8~8.5µmのナノグラース構造、各々直径数100nmの「ブレード」をエッチングしたガラスで実験した。
院生Sajad Haghanifarによると、切替可能性の発見は幸運な偶然の一つであった。「水が、親水性の高いナノ構造の間に入り込むと、ナノグラースガラスはフラット基板のように機能する。水の屈折率はガラスに似ているので、光はまっすぐに入り込む。水を除去すると、光は散乱ナノ構造に当たり、ガラスはぼやける」と同氏は説明している。
太陽電池改善に利用
光を捉えて電力に変換する太陽電池の性能を改善するために、研究チームは新しいガラスを開発した。ナノ構造パタンは、光の太陽電池表面からの反射を阻止することができる。このような構造は、ガラスに入る光を散乱させることもでき、もっと多くの光が太陽電池の半導体材料に届くように使える。
新しいガラスは、グラース(草)のように見える独特のナノ構造パタンを使う。その構造は、以前に使用したナノ構造よりも高背であるので、光が散乱される可能性が増加する。そのナノ構造を持つガラスは不透明であるが、ほとんどの散乱光はガラスに入り込むことが試験により明らかになっている。
ガラスが非常にぼやけていて高い透過性を示すという事実は、それがLEDにも有用てあることを示している。LEDは、本質的に太陽電池とは逆に機能する。半導体に入ってくる電気を使い、デバイスから放出する光を作り出す。新しいガラスは、半導体から周囲に広がる光の量を増やす可能性がある。
研究チームは、ナノグラースが短いほどガラスの反射防止特性を改善するが、長いほど不透明性を強める傾向があることを見出した。高さ4.5-µmのナノグラースは、550-nm波長の光で、95.6%の透過率と96.2%の不透明性のよいバランスを示すことが分かっている。
新しいガラスの正確な製造コストの推定にはもっと研究が必要だが、そのガラスは造りやすいので安価になると研究チームは予想している。ナノ構造は、反応性イオンエッチングプロセスを使いガラスにエッチングできる。これはPCB作製に一般に使用されているスケーラブルで直接的な方法である。
ぼやけと透明を切り替えるスマートウインドウにするには、ナノグラースガラスの上に従来のガラスを置く必要がある。ポンプを使って液体を二枚のガラスの間に流し、またファンまたはポンプで水を除去する。水の他に、アセトンやトルエンも使用可能であることを研究者は示している。