December, 12, 2017, 大阪--パイクリスタルの竹谷 純一取締役らは、LEDディスプレイを駆動する有機半導体アクティブマトリクスの開発に成功し、オルガノサーキットと共同して、実際にLEDディスプレイを駆動できることを実証した。
イベント会場や公共交通機関などにおける、大面積で垂れ幕状の動画表示デバイスの開発が望まれていたが、従来のLEDディスプレイデバイスは重さやコスト、消費電力の問題が大きく普及が限定的だった。一方でフレキシブル・低コストの印刷プロセスの適用が可能な有機半導体のサイネージへの応用が期待されているが、従来の有機半導体は電流密度の性能が十分でない、ディスプレイ用として最小寸法であるµm精度のトランジスタの大面積塗布による回路の一括形成は高価な設備が必要な上に低歩留まりによって高コストになる、などの課題があった。
研究グループは、塗布溶液プロセスによる有機半導体材料による高移動度トランジスタアレイの一括形成を最小面積にして歩留まりを良くする印刷プロセスと、このトランジスタアレイを樹脂シート状ディスプレイ基板の各画素に貼り合わせるラミネーション実装法を新たに開発することにより、安価な回路製造プロセスを確立した。
開発した50㎝角フレキシブルディスプレイを複数並べることにより、大型の垂れ幕への動画表示によってイベント開催や大型広告のインパクトを拡大するなど、デジタルサイネージの新時代を拓くことが期待される。
(詳細は、www.jst.go.jp)