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国際研究チーム、可視光で化学反応を操作

December, 11, 2017, Brisbane--クイーンズランド工科大学(QUT)、カールスルーエ工科大学(KIT)、ゲント大学(Ghent University)の研究グループは、可視光、カラー光を変調するシステムを開発し、強力な化学結合剤の反応を変えるための前進を発表した。

研究成果の概要
・研究グループは、緑色レーザ光を使いトライアゾリンジオン(TAD)結合剤の反応を制御した。TADは、物質生成に必要な他の化学物質と素早く結合する。
・グリーンライト下でTADは反応を止める。光が消えると、TADは再び高反応性になった。
・光スイッチングプロセスは何回も繰り返すことが可能。
・実験から、カラーライトをON/OFFするだけで、同じ設定から2つの異なる製品が造られることが分かった。

 QUTのBarner-Kowollik教授は、可視光を遠隔制御ON/OFF化学反応スイッチとして利用できると、コンピュータチップ製造を含め、化学的製造や先端製造における将来の産業応用への可能性が開かれると話している。
 研究チームによると、このシステムは3Dレーザリソグラフィ向けの感光性材料の作製に応用できる可能性がある。そうなれば、コンピュータチップとして利用できる非常に小さな構造のプリンティングが可能になる。3Dレーザリソグラフィは、ダイレクトレーザ光を使う一種の3Dプリンティングであり、細胞のスカフォールドのようなマイクロレンジで非常に精密な構造作るために利用される。
 QUTは、KITのMartin Wegener物理学教授と3Dレーザリソグラフィアプリケーションを研究している。
 「現在のチップ製造は化学プロセスの複雑で、高価なシステムである。ここでは、いわゆる光回折限界のために、短波長照射、非常に強いUV光が使われる。しかし、ある化学プロセスを可逆的にスイッチするために可視光を使い、その光回折限界を回避し、非常に小さな構造、例えば5 nm幅の構造をプリントできるとしたらどうだろう。3Dレーザリソグラフィ内で化学反応をスイッチできるとしたら、チッププリンティングに革命を起こし、それは著しく安価に、シンプルに、安全になるだろう」と同教授は話している。